4月30日に開催させていただいたウェビナー「自社キャラクター開発の落とし穴と抑えるべき観点を徹底解説」ですが、多くの方にご参加いただき、大盛況の中で終えることができました。
今回の記事ではウェビナーの内容についてレポートさせていただきますので、ウェビナーを惜しくも見逃してしまった方や内容を見返したい方はぜひご覧ください。
今回開催のウェビナーについて
株式会社uyetでは、定期的に「VTuberNEXT」ウェビナーを開催しております。
そこでまずは「VTuberNEXT」について解説し、今回のウェビナーの概要をご紹介させていただきます。
“VTuberNEXT”について

「VTuberNEXT」では、VTuberの魅力をしっかりと発信し、業界外の方にもVTuberに興味を持っていただくためのきっかけを作れるよう定期的にウェビナーを開催します。
本ウェビナーでは、現在VTuberがどのような活躍をしているのかやVTuberの知られざる魅力について発信を行うことにより、多くの方にVTuberの魅力について知っていただき、業界の盛り上がりに繋げていきたいと思っております。
VTuberNEXT公式サイト:https://uyet.jp/vtubernext/
本ウェビナーのテーマについて

当日は「自社キャラクター開発の落とし穴と抑えるべき観点」をテーマに、キャラクターIPを開発や運用する際に抑えておきたいポイントについて詳しく解説しました。
本ウェビナーの登壇者の紹介
今回のウェビナーには、株式会社uyet 代表プロデューサーの金井洸樹が登壇しました。
【株式会社uyet】代表プロデューサー 金井洸樹

2018年よりANYCOLOR株式会社でVTuber事業立ち上げに従事し、キャラクターを用いたコンテンツの企画/運用、企業案件配信の企画などを担当。現在は株式会社uyetにてVTuberを用いた新規事業開発、プロモーション事業、マーケティング事業、VTuber支援事業を展開。またJA全農様と朝日新聞社様と連携してライブコマースイベントを開催。
金井の公式Xアカウント:https://twitter.com/MoveSkk
株式会社uyet公式サイト:https://uyet.jp/
株式会社uyet公式X:https://x.com/uyet_inc
本ウェビナーの内容について
本ウェビナーのテーマは「自社キャラクター開発の落とし穴と抑えるべき観点」でした。
自社でキャラクターIPの制作・運用をしたい企業担当者様を対象に、キャラクターIPを開発し運用する際に重要となるポイントについてお話しさせていただきました。
そこで今回の記事では、当日のウェビナー内容を抜粋してご紹介します。
◇はじめに

金井まず、IPとは「知的財産」のことを指します。
具体的には、人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物で財産的な価値を持つものを意味します。例えば、著作物や特許、コンテンツなどが該当します。





今回のウェビナーでは、コンテンツ領域のキャラクターIPに着目し、IPの自社事業への活かし方や、活かす際に重要となるポイントについて解説します。
◇企業が自社IPを活用している事例
企業が持つ「キャラクターIP」の種類





企業が持つキャラクターIPは2種類存在します。
1つ目は、エンターテイメント事業としてのIPです。IPを用いて実際に事業を行う「漫画」や「アニメ」といったコンテンツはこちらに該当します。
2つ目は、自社・事業・商品のブランドを象徴している存在としてのIPです。IP単独で商業活動を行っているわけではなく、キャラクターなどのIPを伴わせることで認知度の向上を図っている場合はこちらに該当します。
A. エンターテインメント事業としてのIP
株式会社サンリオ





エンターテインメント事業としてIPを活用している企業の代表例は2つあります。
1つ目は、株式会社サンリオさんです。サンリオさんはキャラクターIPの運用によって、高い営業利益率やライセンス事業の利益率を誇っています。
10年前まではハローキティ単体での売上に依存していましたが、近年ではハローキティ以外へのキャラクター展開に注力し、より安定した収益基盤を形成しています。
このようにサンリオさんはキャラクターのポートフォリオが揃っており、「どこで」「誰に」「何を」届けるのかを確実に設計することで、イベントやコラボで継続的にターゲットとの接点を維持しています。
ホロライブプロダクション(カバー株式会社)





2つ目は、カバー株式会社が運営するVTuber事務所のホロライブプロダクションさんです。
ホロライブさんは事務所やユニットとしての知名度が非常に高く、「ホロライブ」というブランドをファンの方に応援してもらうためのコンテンツ展開に力を入れています。
ホロライブさんはタレント個人の力が強いため配信収益がメインの収益として捉えられやすいですが、近頃はIPやライセンスを使用したグッズ販売が主力事業となっています。
自社IPによってファンを盛り上げ、その結果としてファンのIPに対する愛着を得ていることが大きな特徴です。
B.自社・事業・商品のブランドを象徴している存在としてのIP
ドン・キホーテ(株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)





自社・事業・商品のブランドを象徴している存在としてIPを活用している企業の代表例は2つあります。
1つ目は、ドン・キホーテさんです。
ドン・キホーテさんのIPである「ドンペン」は、店舗の目印になっており、外国の方や初めてお店に訪れる方でも店舗の場所が理解できるようになっています。
お店に行かれる方はわかると思いますが、店内でもポスターやポップにドンペンが掲載され、ドンキといえばドンペンというくらいの存在となっていることは間違いないでしょう。
2022年12月には企業がドンペンから新キャラクターへの交代を発表したのですが、その際はファンから猛反発を受けました。
そして、育ったIPが企業が手放すことができないほど大きな影響力を持つことを証明した出来事になりました。
このように企業側が自社のブランドを提示する際にキャラクターをうまく活用することで、認知度の高さを上げることがあります。
ヤンマーホールディングス株式会社





2つ目は、ヤンマーホールディングス株式会社さんです。
ヤンマーホールディングス株式会社のIPである天気予報CMのキャラクター「ヤン坊マー坊」は、長期にわたってテレビに出演し、多くの人に愛されるキャラクターでした。
しかし、2014年にCM提供を終えてからはキャラクターを見る機会はなくなり、ヤンマーホールディングス自体の知名度の低下につながりました。
この出来事は、IPの力が負の方向に働いた一例になります。
その後キャラクターのデザインをリニューアルし、現在ヤンマーホールディングスは企業パーパスを伝えるIPとしてのブランドを再構築している過程にあります。
これらの2つの例から、キャラクターIPの運用を行うことは企業の認知度やブランドに大きな影響を及ぼすことがわかります。
◇IPを創ったらできること





IPを運用することで得られる効果には、キャラクターをきっかけにした集客、ブランド認知度の向上の入り口作り、キャラクターによる採用広報・社内文化の可視化の3つがあります。
この3つはIPを中心にコンテンツをしているエンタメ企業さんと、自社の象徴としてIPを活用している企業さんの両方に共通するものになります。
①キャラクターをきっかけに集客へ





IPを運用することで得られる効果の1つ目は、キャラクターをきっかけにした集客ができることです。
企業さんがキャラクターを用いて発信するだけでなく、一般ユーザーさんがUGCによって情報発信を自ら行ったり、IPコンテンツを蓄積し資産化することで、広告だけでは達成できない集客効率や宣伝効果を得ることができます。
ただ「バズる」ことは必ずしも集客につながるわけではありません。バズり方によっては集客効果がない場合や、バズらなくても使われ方によっては集客効果がある場合があります。
よって、バズることは手段であって、目的ではないということを忘れないようにしてください。
企業のIPとなるキャラクターは、作って終わりではありません。
実際に集客効果があるIPを創るためには、SNSの継続発信や商材との動線設計、ファンが応援したくなるようなストーリーの積み重ね。そして、それを実行するための時間が必要となります。
②ブランドの認知度向上の入り口として





2つ目は、ブランド認知度向上の入口になることです。
自社のブランドや会社そのものを思い出してもらう機会づくりに、キャラクターIPは役立ちます。
近年では世の中の利便性が上がったり、企業の商品が高品質のものを安定して供給することができるようになったりしたことによって、商品を機能性で選ぶことは少なくなりました。
その反面、近年では接触回数や名前、思い出しやすさといったブランドの認知度によって商品が選ばれるようになりました。
そして、ブランドの認知やファンからの指名検索を獲得し、競合他社との差別化を図るという点においてIPは大きな影響を与える可能性があります。
IPとなるキャラクターは人々が企業を覚えるきっかけとなり、キャラクターと共にストーリーを創ることで、他社に比べて自社をより優位に立たせることができます。
③キャラクターが採用広報・社内文化の可視化に





3つ目は、キャラクターが採用広報や社内文化の可視化になることです。
実際に、強力なキャラクターIPを持つ企業に入社を希望される方の中には、キャラクターが好きなことを理由としている方がいらっしゃいます。
そのことを把握したうえで、キャラクターを用いてコンテンツに落とし込み、企業説明の一部を担わせます。その結果として訴求力が上がったり、堅苦しさが軽減される効果があります。
また、社員エンゲージメントの改善にも役立ちます。
キャラクターが自社紹介を行ったり、社内活動の旗印になったりすることで、企業が人々の目にとまりやすくなったり、記憶に残りやすくなったりします。
ただ、キャラクターは社内でも愛されることが重要です。
キャラクターが社員に愛され、企業と共に歩むというストーリーがあることが、社会に対して大きな影響力を持つことにつながります。
そのため、キャラクタープロジェクトを社内で立ち上げる際には、社内のメンバーをどのように巻き込むかを考える必要があります。
◇自社でIPを創るために必要なマインド
3つのマインドが重要





自社でIPを創るために社内で必要となるマインドには、中長期的に成長ビジョンを持つこと、マーケティング意識を極力排すること、「キャラクター」とユーザーをなめないことの3つがあります。
これらのマインドには、論理的な要素に加えて感情的な要素も重要となることが特徴です。
①中長期的に成長ビジョンを持つこと





1つ目は、中長期的に成長ビジョンを持つこと。
会社規模に関わらず、キャラクターのファンベースを構築し、企業としての信頼を得て人々に認知され、商品を購買してもらうサイクルを作るには最低でも1年以上かかります。
なぜなら、企業が世の中に対して影響力を持っていたとしても、キャラクターが愛されるとは限らないからです。
キャラクターを作った以上は、それを起点にIPを育成し、手を入れて引き続きIPを伸ばす必要があります。
短期での効果を見込んでキャラクターを創ると、IPを腐らせてしまうことにつながり、結果としてそれが「失敗」として人々に映って、企業のイメージが下がってしまう可能性があります。
キャラクターIPは短期のROIを見て判断することが通用しない構造になっているため、長い時間軸での計画と検証が必要になります。
②マーケティング意識を極力排すること





2つ目は、マーケティング意識を極力排することです。
IPを創出する際には、その後にIPを伸ばすためのビジョンやIPを使って売上を出す方法など、マーケティングを起点として考えることが多いと思います。
その上でIPを育成する際には、IPがどのようにして好かれるのか、どのような層にハマるコンテンツにするのか、ファンから共感を得るためには何をすればよいかといった、感情的思考を持つことが重要になります。
感情的思考がない場合には、キャラクターが打算的な広告のために生み出された存在として捉えられ、IPを中心としたコミュニティが育ちません。
マーケティングの視点のみでIPを創るのではなく、人々の感情的な面も考えてIPを育成することが重要です。
③「キャラクター」をなめないこと





3つ目は、「キャラクター」をなめないことです。
キャラクターの運営やIPの運用は、事業を一つ回すのと同じくらい考えるべき項目が多いです。
しかし、キャラクター制作の際によい見た目のものを作ることができると、それだけで満足してしまうことがあります。
現在ではAIなどによってキャラクターは手軽に作ることができるようになりました。
ただあまり内容が詰められていないキャラクターには、永続的に人がついてくる魅力はありません。





特に、日本ではキャラクターを妄信することによる失敗が起こりやすいです。
日本は漫画やアニメといったコンテンツが充実しており、日本人は幼少期から日常的にキャラクターに触れる回数が非常に多いです。
そのため、キャラクターに触れていない方がただ見た目の良いキャラクターを創ったとしても、キャラクターが日常に溶け込んでいる人から愛されるものにはならず、さらにキャラクターの運営から「なめられている」ことをユーザーが気づく可能性があります。
よって、「キャラクター」として正しく売れるためのコンセプトや設計、企画、運用計画を細かく練る必要があります。
IPを創出する際には、設計や利益について考えることも重要ですが、ファンの感情面といった通常の事業と違うことについても目を向けるようにしましょう。
◇自社でIPを創るうえで重要な問い





先ほどのIPを創る際のマインドを踏まえて、自社のIP事業を組み立てる際に重要となる問いが3つあります。
IPを立ち上げる目的は何か?





1つ目は「IPを立ち上げる目的は何か」。この問いは、チーム内で問い続ける必要があります。
IPを立ち上げる目的によって、キャラクターやチャンネル、KPIは大きく変わります。そのため、考えなしに流行りに乗っかることは失敗につながりやすく危険です。
目的が集客なのか、採用なのか、ブランド認知なのかを言語化したうえで、IP立ち上げを進める必要があります。
どこにファンが応援する要素があるか?





2つ目は「どこにファンが応援する要素があるか」です。
IPが応援されるためには、キャラクターの成長性やキャラクターの独自性、ファンの共感を得るポイントを言語化する必要があります。
キャラクターの見た目だけではなく、IPのストーリー展開にまで目を向けることが重要です。
運用し続けることができるか?





3つ目は「運用し続けることができるか」です。
IPとIPのストーリーは、両方を運用し続ける必要があります。そして、このストーリーは決して外注せずに内製することが重要です。
IPの世界観や人格、ブランドボイスの発信の仕方については、IPを運用する主体がルールを定めなければ、運営が意図しないIPの使われ方をされる可能性があります。
よって、IPを創る際には大事にしたいものややってはいけないことを明確にしたうえで設計するようにしましょう。
◇創ったIPを「運用」するということ
そもそもIPは「作ったきり」ではだめ





企業のIPにおいて、運用が非常に重要になります。
中でもIPを育成してストーリーを創るという過程は最も重要になるので、忘れないようにしてください。
だからこそ押さえるべきポイントがある





IPの運用は非常に重要であるからこそ、設計段階でキャラクター設定や商標・著作権の整理、ブランドを保つためにやらないことを決定することが重要です。
その上でIPを運用していくにあたって、目的から逆算してKPIをフェーズごとに柔軟に対応させて細かい検証を行うことが重要です。
IPは創るだけであれば通常の事業以上に安価な値段で行うことができます。
とはいえ、事業運営と考えるべきことは同じです。覚悟をもって計画を詰め切ることで、初めて活躍のスタートラインに立つことができます。
◇まとめ





IPは、育てるものであり、そして経営するものです。
先ほど挙げた問いに対して明確に回答ができるような状態にした上で、IPを創ることが非常に重要です。
キャラクターのことを事業と同一に「経営する」つもりで扱うことで、創ったものが愛されなかったり、投げやりになったりすることがなくなり、キャラクターでメリットを得ることができる企業さんは増えていくと考えられます。
初めは大きなリターンが返ってこないため粘り強く努力する必要はありますが、企業担当者の皆さんはそれを念頭に入れた上でキャラクターの運営をしていきましょう。
ウェビナーにご参加いただきありがとうございました!
今回は、自社でキャラクターIPの運用をしたい企業担当者様を対象にウェビナーを開催させていただきました。いかがだったでしょうか?
ウェビナーにおいてご不明な点、詳しく知りたい点がございましたら株式会社uyetまでお気軽にお問い合わせください。
今後もVTuberに興味のある方やVTuber活用を検討している企業様・自治体様に向けて、お役に立てるようなウェビナーを開催したいと思っております。
もしこういったウェビナーを開催してほしいというご要望がございましたら、お問い合わせよりご連絡ください。
また、VTuberNEXTウェビナーに登壇したい方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
今後も定期的にウェビナーを開催する予定ですので、ご興味がある方はぜひご参加ください。ウェビナーに関する最新情報は、uyet公式X(旧:Twitter)にて発信をさせていただきます。



















