ここ最近注目されているVTuberマーケティングですが、成功させるためにはしっかりとした戦略や企画設計が必要になってきます。VTuberを活用したマーケティング戦略を考える上でも企画設計する上でも、しっかりとVTuberマーケティングを理解しておく必要があります。
今回の記事では、VTuberマーケティングを行う上での戦略法や企画設計の方法について解説します。またVTuberマーケティングを成功させるためのポイントについてもご紹介します。
もしVTuberマーケティングを行おうと思っている企業様や自治体様は、ぜひこちらの記事をご覧いただき、VTuberマーケティングについて理解を深めてみてください。
VTuberマーケティングについて
では最初に「VTuberマーケティング」についてわかりやすく解説します。
「VTuberマーケティング」は、VTuberを活用したマーケティング手法のことを指します。
インフルエンサーマーケティングの一種であり、VTuberが配信やXなどを通して企業や自治体のプロモーションやPRを実施します。
近年はVTuberの活用が一般的になってきており、国や自治体、大手企業による活用が急増してきました。
例えば、昨年は内閣府や総務省といった省庁によるVTuber活用がありました。
◼︎内閣府でのVTuber活用
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/13/news129.html
◼︎総務省でのVTuber活用
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/28/news130.html
また大手飲食チェーンのレストラン「ココス」やスキンケア商品を販売する「資生堂」などがVTuberを活用し、プロモーションを実施しています。
◼︎ココスのVTuber活用事例
https://www.moguravr.com/vtuber-daily-news-670/
◼︎資生堂のVTuber活用事例
https://kai-you.net/article/89626
このようにVTuber活用は今や世の中で受け入れられ、大手企業も取り入れるマーケティング手法として広がりを見せています。今後も、国や自治体、企業によるVTuber活用は、今後も増えていくことが予測されています。
▼VTuberマーケティングについて詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
VTuberマーケティングの成功事例
では、次に企業によるVTuber活用の成功事例をご紹介させていただきます。
志摩スペイン村
2023年の春に実施された「志摩スペイン村」とVTuberのコラボイベントは大成功を納めたVTuber活用事例の一つです。
元々志摩スペイン村が好きだったVTuberが、生配信でそのことを話したのがきっかけでコラボが決定。イベントでは遊園地内がデコレーションされたり、コラボ料理の提供やコラボグッズの販売が実施されました。
VTuberとテーマパークのコラボレーションやネットニュースだけにとどまらず大きな話題を呼び、来場者数の増加や園内で販売されるスナックの販売数の増加に繋がりました。
2023年のコラボイベントの開催が大好評だったため、2024年にもコラボイベントが実施されました。
妖怪ウォッチぷにぷに
アプリゲーム「妖怪ウォッチぷにぷに」は、VTuberとコラボイベントを開催。VTuberがナレーションを行うコラボPVが公開されたり、プレゼントキャンペーンが実施されました。
コラボ告知後3日目でアプリダウンロード数ランキングが100位以上も跳ね上がり、1桁台まで登り詰めました。
VTuberビジネスを行う上で抑えておきたいVTuberの特徴
VTuberをビジネスで活用する上で、起用するVTuberは非常に重要です。
VTuberを活用する際に絶対に知っておきたいVTuberの特徴をご紹介させていただきます。
①YouTubeでの配信活動がメイン
VTuberのメインとなる活動は「生配信」です。基本的にYouTubeで配信を行い、視聴者とコミュニケーションを取ります。「生配信」はリアルタイムでVTuberと視聴者の双方でコミュニケーションが行われ、その身近さがVTuberコンテンツの魅力になります。
VTuberは常日頃配信や動画を通して発信活動を行っており、他のインフルエンサーと比較してもコミュニケーションに長けている方が多いです。よって、ビジネスでVTuberを活用する際は「生配信」や「コミュニケーション」を主軸とした企画を行うとVTuber活用の効果が最大化されます。
②SNS上でUGC(ユーザー生成コンテンツ)が投稿されやすい
VTuberコンテンツは生配信がメインコンテンツであるため、インターネットとの相性が非常に良いです。よって、その強みを活かしてVTuberだけでなく、VTuberのファンたちもXなどのSNS上で発信を行います。
VTuberのファンはファンの属性的にも「インターネット」が得意な方が多く、また昔からインターネットに慣れ親しんできた方が多いことから、ファンたちは気兼ねなくSNS上で応援しているVTuberに関連する発信を行います。
よって、ビジネスでVTuberを活用した際もSNS上で多くのUGCが生成される可能性が大いにあります。
参考例:5月26日開催のVTuberイベント「ぶいめしゅらん」に関するUGC
5月26日にuyetが開催したオフラインイベント「ぶいめしゅらん」ですが、料理やイベントに関するたくさんのUGCが投稿されました。
③配信上でのコメントが多い
VTuberコンテンツは、リアルタイムでVTuberと視聴者の双方でコミュニケーションが取れるのが最大の魅力です。タレントとファンの関係性が比較的近く、タレントを身近な存在だと感じられるのも、VTuberが人気の理由の一つです。
VTuberファンは自分が応援しているVTuberとコミュニケーションをとることを楽しみに配信を視聴します。よって、VTuberによる配信ではコメントがかなり多く投稿されます。
VTuberを活用して商品のPR配信を行った際も、視聴者のコメントで溢れることが想定されます。視聴者たちは商品に関する質問やコメントをたくさん行うことが考えられるので、VTuberが無理にセールスを行わなくとも商品の魅力を多くの方に発信することが可能です。
④話題になりやすい
皆さんの中でもテレビや新聞などのメディア媒体で、VTuberが取り上げられているのを見たことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか?VTuberはエンタメ業界の中でも新しいコンテンツであり、今急成長している市場になります。
よって、その目新しさや技術の高さからビジネス業界、ユーザーからも注目されやすくなっています。
企業や自治体がVTuberを活用したら注目されたり、活用をする中で良い成果を収めれば、テレビや新聞などの大きなメディア媒体に高い確率で取り上げられるでしょう。よって、企業や自治体がVTuberを活用することは、社会に向けたPR活動としても大きな期待を寄せられています。。
▼VTuberの活用は全国で話題になっています!
企業や自治体によるVTuber活用というのは加速しており、明らかにテレビや新聞で取り上げられる回数が増加しました。
下記はuyetで実施している事業についてNHK様に取り上げていただいた際のニュース記事になります。
◼︎佐賀 NEWS WEB:Vチューバーが唐津市呼子町の海産物をPR その後 注文増加
◼︎福島 NEWS WEB:Vチューバー が福島の洋梨やりんごをPR 注目集める
VTuberの特長を生かしたマーケティング企画の設計方法
では、次にVTuberの特徴を活かした企画の設計方法をご紹介させていただきます。
基本的に以下のポイントを抑えながら企画設計を行っていきます。
<VTuberを活用した企画の設計>
①要件定義
② 集客方法を考える
③ PRコンテンツをエンタメ化する
④ UGCが上がりやすい構図を設計
⑤ ユーザーのLTVを考えた上で設計
①要件定義
まずは要件定義を行うことが重要です。さまざまなマーケティング方法やインフルエンサーが活躍する中で、なぜ今回VTuberマーケティングを選んだのか、なぜVTuberを起用したいと思ったのかを明確にしておきましょう。
自社商品の販促を狙うためなのか?はたまた新しい年齢層の消費者の獲得を狙ってなのか?またPRを強化していくため?バズりたい?などなど、この記事を読んでいる方の中でもVTuberを活用したいと思ったきっかけやVTuberを活用する目的は異なってくると思います。
VTuberを活用してマーケティングを行う目的次第で、VTuberを活用した戦略や企画設計は異なってきます。よって、まずは要件定義から始めてみましょう。
② 集客方法を考える
VTuberを活用した企画設計を行う上で、集客方法を考えることも非常に大切なポイントです。
ここでいう集客方法はマーケティングのターゲットに当たります。まずターゲットは誰に設定するのか?起用するVTuberのファンもしくは業界全体のファン、または業界外の人もターゲットに含むのかを設定しましょう。
そしてターゲットを集客する方法を考えます。Xで広告を打つのか、それともYouTubeで広告を打つのか、それともプレゼントキャンペーンを実施するのかを考えましょう。
③ PRコンテンツをエンタメ化する
PRはどうしても怪しさやお金の匂いなどがしてしまい、消費者は抵抗感を感じてしまうことが多いもの。そこでVTuberマーケティングを行う上で重要なのが「PRをエンタメにする」ことです。
マーケティングの目的が商品・サービスの販促やPRであったとしても、企画設計を行う上でエンタメコンテンツ作りを忘れないこと。ターゲットとなる消費者に楽しんでもらうことを想像しながら、VTuberを活用した楽しく面白い企画を考えましょう。
ただ販促したい・PRしたいといった大元の目的も忘れてはいけません。最後には商品・サービスの購入や認知につながるように戦略を練っていきましょう。
④ UGCが上がりやすい構図を設計
UGCが生成されることで、本来ターゲットとしているユーザーとは異なるユーザーに対しても商品・サービスを発信・PRすることができ、認知拡大を販売促進に繋げることができます。よって、広く商品・サービスの認知を拡大したい場合は、UGCを生成させる仕組みを考えることが大事です。
UGCを生成させる仕組みについては、下記の記事で紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
⑤ ユーザーのLTVを考えた上で設計
ユーザーのLTVを考える上で、まずは考える必要があるのかどうかを考えましょう。例えば、単発でマーケティングを実施したい場合は、ユーザーのLTVを考える必要があります。
ただ長期的にマーケティングを行っていきたい場合は、ユーザーのLTVを考えた上での企画設計が必要です。例えば、ロードマップでこの時期にはこの企画を実施してユーザーのこのような状態まで育てるなど考えておくと良いでしょう。
VTuberマーケティング効果を出せる商材とは
結論からいいますと、VTuberマーケティングを行う上で相性の悪い商材はありません。
(商品の質の非常に低い商材や詐欺商材など悪質なものは除く)
どのような商材も企画設計が上手くなされていれば、VTuberマーケティングは効果を発揮します。よって、少しでもVTuberマーケティングに関心のある企業・自治体様は、VTuberマーケティングを実施してみても良いかもしれません。
ただVTuberマーケティングを行うにあたり、商材の種類や起用するVTuberに合わせて企画設計を行う必要があります。よって、企画設計は戦略を踏まえながらしっかりと行うようにしましょう。
VTuberマーケティングを成立させるためのポイント
では、次にVTuberマーケティングを行う上で重要なポイントをご紹介させていただきます。
①セールスではなくエンタメにすること
商品販促を行うマーケティングを実施する際に、無理に商品を売り込もうとするとVTuberマーケティングの効果を発揮することができません。
VTuberもファン層はZ世代が中心であり、幼い頃からインターネットが身近にありました。よって、インターネットの広告に敏感で、広告に対して良いイメージを持っていません。
とくに最近はステルスマーケティングの増加や悪質な商品の広告が増加しているため、インターネット広告やSNS広告を見るだけで興味が薄れてしまう方が多い傾向があります。
よって、SNS上でよく見かける「企業が儲けるために行っている広告」は好まれません。
そこでVTuberマーケティングを行う際は、あくまでも商品のセールスは二の次に考えて、ユーザーに楽しんでもらえるような企画を設計すると良いでしょう。
②商材とタレントの相性の良さを見極める
VTuberマーケティングを行う際は、扱う商材と相性の良いVTuberをキャスティングすることも重要です。
例えば、ケーキを売る際にスイーツが苦手なVTuberが商品をPRしても説得力がないですよね。VTuberのタレントとしてのパワーもVTuberマーケティングを行う際には重要ですが、まずは商材に対して相性の良いタレントを起用するようにしましょう。
VTuberの中には自分の好きなものや出身地などといった、自身に関する情報をXやYouTubeで発信していることが多いです。VTuber自身が好きなものであれば、そのVTuberに案件を依頼した際に承諾してくれる可能性が高いですし、VTuberが前のめりになって企画に参加してくれる可能性が高くなります。
またVTuberのファン属性も考慮して、タレントを起用するのもとても良い方法です。
配信やXなどを見れば、ファンにどういった方が多いのか、何歳くらいの人が多いのかを大まかに把握できるはずです。マーケティングを行う際は、消費者の特性も考えながらキャスティングを行うと効果がアップするでしょう。
③エンドユーザーの特性を考慮した企画の設計
「②商材とタレントの相性の良さを見極める」でもお話しさせていただきましたが、VTuberマーケティングを行う上でVTuberファンの特性もしっかりと把握しておくことが重要です。
(ここではVTuberごとのファンの特性ではなく、VTuber業界全体のファン特性のことを指します)
VTuber業界は独特の文化の中で形成されているエンタメです。よって、ファンの属性にも特徴があります。
例えば、「VTuberはデジタルの世界で生きている」といった世界観を大切にしている方が多かったり、ファン自身もインターネットが得意な方が多い印象があります。
また業界内でのタブーもいくつかあるため、エンドユーザーにあたるVTuberファンが不快感や違和感を感じないような企画を設計することが非常に重要です。最悪の場合は炎上につながる可能性もあるので、業界知識をしっかりと身につけた上で企画設計を行いましょう。
VTuberマーケティングを行う上での禁止事項3選
次にVTuberマーケティングを成功させる上での禁止事項をご紹介させていただきます。VTuberマーケティングを行う上で、下記の3点はしっかりと避けるようにしましょう。
①怪しい商材を扱ってしまう
当たり前のことのように思いますが、VTuberマーケティングを行う際は怪しい商材を扱わないようにしなくてはいけません。しっかりと商品説明がされ、販売元・製造元がすぐに確認できる商材を扱うようにしましょう。
VTuberファンの中心であるZ世代が商品に対して違和感を感じると、自身が応援しているタレントが紹介している商品であっても魅力的に思えず、購入することはありません。
また怪しい商材を扱うことで、タレントの信用問題にも繋がっていく可能性があるため、怪しい商材の取り扱いはしないようにしましょう。
②他のインフルエンサーと同じように扱う
VTuber業界には、独特の文化やルールがあります。また「VTuberビジネスを行う上で抑えておきたいVTuberの特徴」の項目でもご紹介しましたが、他のインフルエンサーとは異なる特徴がいくつかあります。
よって、他のインフルエンサーで成功した方法を参考にしてマーケティング戦略を考えたり、企画設計を行っても、VTuberマーケティングの場合は成功しないといったことも大いにありえます。
VTuberを活用してマーケティング効果を最大限に伸ばしたい方や失敗を防ぎたい方は、VTuber業界の特徴やルール、タレントの属性をしっかり把握した上でマーケティングを行うと良いでしょう。
③タレントパワーを登録者数で判断してしまう
VTuberのタレントパワーは、YouTubeのチャンネル登録者数やXアカウントのフォロワー数だけで判断してしまってはいけません。VTuberマーケティングを行う中で重要なのは、VTuberのコアなファンの総数であり、熱量の高いファンが多くついているタレントを起用する必要があります。
よって、VTuberのコアファンの人数を見極めた上でキャスティングを行うと、VTuberマーケティングは成功に繋がりやすいです。
企画設計でお困りの方はuyetまでご相談ください!
今回の記事では、VTuberマーケティングの戦略や企画設計について解説しました。
VTuber業界は独自の文化があり、マーケティングを行う上でターゲットになるVTuberファンにも特徴があります。よって、絶対に他のインフルエンサー起用と同様の形で、戦略を考えたり、企画を設計してはいけません。
VTuberマーケティングを行う際には、まずはVTuber業界の特徴やルールをしっかりと把握した上で戦略を考え、企画設計を行うと良いでしょう。
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