11月9日にuyetとフューチャーリンクネットワーク様で開催をさせていただいた「VTuberNEXT@地方創生 VTuberが地方を変える!新しい「地方創生」の在り方」ですが、多くの方にご参加いただき、大盛況の中で終えることができました。
今回の記事では、本ウェビナーについてレポートさせていただきますので、本ウェビナーを惜しくも見逃してしまった方や内容を見返したい方はぜひこちらの記事をご覧ください。
「VTuberNEXT@地方創生」について
まずは今回の「VTuberNEXT@地方創生」について概要を説明させていただきます。
そもそも「VTuberNEXT」とは?
「VTuberNEXT」では、VTuberの魅力をしっかりと発信し、業界外の方にもVTuberに興味を持っていただくためのきっかけを作れるよう定期的にウェビナーを開催します。
本ウェビナーでは、現在VTuberがどのような活躍をしているのかやVTuberの知られざる魅力について発信を行うことにより、多くの方にVTuberの魅力について知っていただき、業界の盛り上がりに繋げていきたいと思っております。
「VTuberNext@地方創生」について
近年著しい経済成長と盛り上がりを見せるVTuber業界ですが、その波に乗るべく近頃はVTuberを活用したさまざまな取り組みが行われています。その一つとして挙げられるのが「VTuberを活用した新しい形の地方創生」です。
本ウェビナーでは実際にVTuberを活用した地方創生の事例を紹介するとともに、今注目の「VTuber」を活用する際のコツや活用の際のタブー、今後のVTuberを活用した地方創生の姿について解説します。
今回は大きく「地方創生」をテーマとしておりますが、今後は「観光事業」や「移住・定住」、「ふるさと納税」、「シティプロモーション」、「環境問題解決」など分けて開催していき、地方が抱える課題を最新技術、インターネットトレンドを追いながらどのように解決していくかを模索していくカンファレンスとして継続して実施していく予定です。
本ウェビナーの登壇者の紹介
今回は株式会社フューチャーリンクネットワーク様から代表取締役の石井様がご登壇いただき、株式会社uyetからは代表取締役プロデューサーの金井が登壇させていただきました。
今回はこの2名をお招きして、「VTuberを活用した新しい形の地方創生」をテーマとしてウェビナーを開催させていただきました。
【株式会社フューチャーリンクネットワーク】代表取締役 石井丈晴 様
1973年12月23日生まれ、千葉県出身。 慶應義塾大学 商学部 卒業。新卒で株式会社リクルートに入社し、人事部で活躍。社会の役に立つ事業がしたいと考え、2000年3月に「地域活性化」をキーワードに株式会社フューチャーリンクネットワークを設立し、独立。地域の付加価値増大を目的に、地方企業と協業しながら全国で地域情報流通事業を展開する。
(「株式会社フューチャーリンクネットワーク」を「FLN」と記載させていただきます)
【株式会社uyet】代表取締役プロデューサー 金井洸樹
2018年より株式会社ANYCOLORにてVTuber事業立ち上げに従事し、キャラクターを用いたコンテンツの企画/運用、企業案件配信の企画などを担当。 現在は株式会社uyetにてVTuberを用いた新規事業開発、プロモーション事業、マーケティング事業、VTuber支援事業を展開。またJA全農様と朝日新聞社様と連携してライブコマースイベントを開催中。
本ウェビナーの内容について
では、ここでは実際のウェビナーの内容について簡単に解説をさせていただきます。
◇ 地方課題について
まずは石井様に地方の課題について解説していただきました。
まずは地方の課題の整理からできればと思います。
地方で大きな課題というと人口の減少や高齢化、都市部への集中による地域間格差、各地方での画一的なまちづくりになってくると思います。
地方ごとの経済的な格差が広がっていく中で、経済維持や産業発展みたいなところをどう感じているのかをまず教えていただきたいです。
東京でも感じられる画一化があって、例えば今「スマホ」と言えば「iPhone」を持っている方が多いと思うんですけど、これと同じように世の中は選択肢の画一化が進んでいると思います。それって「値段」でしか差別化ができないことが多いからなんですよね。
「画一的」で安くて便利なものも良いと思うんですけど、「多様性」というのも人間の趣味嗜好がたくさんある中でとても良いと自分は思っています。ただ各地方では効率や低価格を追い求めてしまい、その地方の独自性がなくなってしまうことが多くて、これが地方課題だと感じていますね。
確かに…!
人口が減るんだったら、500円高いけどいつもは食べられないような美味しいものを食べることができたり、その地方に行かないと見ることができない景色が見られるなど、人口減少の中で経済成長し続けるためには付加価値をつけるのがベストだと思っています。
よって、地域活性化を促進していくためには、その地方でしか味わえないもの、つまりその地方独自の付加価値を考えていくことが必要だと思っていて、この多様性があれば地域活性化に繋がっていくと思っています。
◇VTuber市場の現状について
次に金井よりVTuber業界について解説をさせていただきました。
「VTuber」はYouTubeやTwitchなどの配信プラットフォームで活動するデジタルキャラクターのことを指し、2021年の投げ銭世界ランキングでは1位に日本のVTuberがランクインしています。
今投げ銭世界ランキングの30位以内にVTuberが約20名ランクインしているんですよね。
それは凄いですね!
また「VTuber」は若者世代に人気が高く、若者の多くが認知しているコンテンツになっています。
実は10代男性の半分の方がVTuberの配信を視聴しているというデータが出ているんです。
◇VTuber活用の事例について
そして、VTuberの活用事例をいくつかご紹介させていただきました。
① 埼玉県のシティプロモーションでのVTuber施策
まずは「埼玉県のシティプロモーションでのVTuber施策」について取り上げました。
埼玉ではコロナによるインバウンドの激減による打撃を受け、アフターコロナを見据えて若者へのアプローチを行うための起爆剤を探していたところ、若手職員が「VTuber」に着目し、2021年12月にVTuber「春日部つくし」がバーチャル観光大使に任命されました。
VTuber業界はコロナの影響で若干市場が伸びた部分はあったのですが、地方では影響はあったのでしょうか?
外出が減ったことで地方のみならず、東京でも閉店してしまうお店が現れたりと、実際に人が足を運ぶことで成立するビジネスは軒並み打撃を受けましたね。
その結果、県のYouTubeチャンネルの登録者数が1年半で15倍に増加したり、「春日部つくし」が紹介した商品を販売するECサイトへのアクセスが2倍ほど増加したりとかなりインパクトを与えています。
実際に観光客に県に訪れてもらうことはやっぱり難しいんでしょうか?
難しいですね…。
こちらの埼玉の事例は、一見「VTuber」という流行り物を使ったから結果が出たんだろうと思われる方も多いと思いますが、多才なVTuberがその地方の知られざる魅力を探し出し、最適な方法で情報を発信をしているからこそしっかりと効果が出ているわけなんですよね。
「VTuber」を活用する場合、「VTuber」に興味のない方からしたら無機質なコンテンツを使って、いかに面白い・興味深いコンテンツを作ることができるかどうかが肝になってくるため、県の協力が大切になってきます。
こちらは起用されたVTuber「春日部つくし」さんが、埼玉に対して高い情熱を持っていたからこそ結果に出た事例になってきますね。
石井さんもとても情熱を持って「地方創生」についてお話いただいていると思うのですが、こういった方の存在がいかに重要かっていうことを感じますね。
「熱量」が人を動かすとも言いますしね。
(地方創生は)実際に地方の魅力を知ったりすることで、多くの人が熱くなれるテーマだと思うんですよね。
◇VTuberを活用する際のポイント
最後にVTuberを活用する際のポイントについて金井がお話をさせていただきました。
「VTuber」は影響力が大きく、非常に爆発力のあるコンテンツです。よって、VTuberたちの熱量をさらに高められる方法を考えたり、本人の熱量を削ぐ要因をどれだけ減らせられるかを考えるのが非常に重要になってきます。
また、VTuberを活用する上である程度の「自由度」を持ちながら、「VTuber」を活用していくことが大切です。
VTuberを活用して何かを行う上で、「これはダメだけど、これは好きにやっていいよ。」とか「これは自由に紹介していいよ。」とか、企画側がどれだけ許せるかどうかが大事になってきますね。
VTuberの素晴らしさは喋りや魅力を見つけ出す力、感性になってくると思うんですけど、シナリオ通りに話させることは才能ごろしになってしまうこともありますよね。
ただ自治体や企業側からすると、VTuberが何を発言するかわからないので、どうしても自由度を狭めがちになってしまうんですよね。
確かに自治体側がVTuberの発言に対して不安感を感じる気持ちはすごく理解できるんですけど…
自治体側もVTuberと一緒になって魅力の伝え方を考えていくことが重要ですよね。
私たちは現在さまざまな自治体と取り組みを行わせていただいているのですが、真摯に向き合ってくださる自治体はとても多いと感じています。
VTuberと何か取り組みを行うとなった際は、VTuberの強みを活かしていけるように自治体側とVTuberが手を取って、一緒に何かを作り出していくのが理想ですね。
今後の展望について
今回「VTuberを活用した新しい形の地方創生」をテーマに株式会社フューチャーリンクネットワーク様から代表取締役の石井様をお招きしてウェビナーを開催させていただきました。
今国内に止まらず海外でも人気の高い「VTuber」ですが、今後も業界の発展と共に「VTuber」を活用した事例というのはどんどん増えていくでしょう。
そして、VTuberが地方課題を解決するポテンシャルは十分にあり、自治体や地方企業とVTuberに関連した事業を行う企業が一緒に事例を作っていくことで新しい形で日本を元気することができるのではないかと私たちは思っています。
今回一緒にウェビナーを開催させていただいた「株式会社フューチャーリンクネットワーク」様ですが、現在uyetと共同で「まちスパチャプロジェクト」に取り組んでおります。
今後もVTuberと地方が一緒に日本を盛り上げていくような事例をたくさん作っていきたいと考えておりますので、ぜひ「まちスパチャプロジェクト」にもご注目ください。