人気の高いインフルエンサーを活用して集客や商品販促、PRを行うマーケティング手法「インフルエンサーマーケティング」にVTuberが活用される事例が、その人気と注目度の高さから私生活の中でも自然と見受けられるようになりました。
ただVTubeを起用する場合、費用がどれくらいかかるのかとても気になりますよね。企業からVTuberに案件を依頼した時に、報酬が安いため断られてしまったということもよく聞く話です。
今回の記事では、VTuberに企業案件を依頼する際にどれくらいの費用がかかるのか、どれくらいの相場感なのかを解説いたします。
また狙い通りのマーケティング効果を出すために注意したいポイントもご紹介。
VTuber活用を検討している企業や自治体の担当者さんはぜひ最後まで読んでみてください。
企業がVTuberに案件を依頼する理由
主にSNS上で活動を行っているインフルエンサーですが、インターネットが発達する中でその人口はかなり増加して、すでに飽和状態であるとも言われています。
そんな中で新しいインフルエンサーとして注目を浴びているのが「VTuber」です。まだまだ知らない人も多いのですが、国内の10代〜30代を中心に人気を集めています。
その話題性の高さや海外での注目度から、現在VTuberたちはインフルエンサーとして多様な活躍を見せています。
これまではYouTuberやインスタグラマーが中心となってやってきたことを、VTuberが行うことで注目されるといった事例も多々あります。VTuber活用を実際に行っている企業や自治体も増えてきたため、今注目すべき「インフルエンサーマーケティング」と言えるでしょう。
ここ数年企業や自治体がVTuberを活用して販促プロモーションやPRを実施することがかなり増えました。企業や自治体がVTuberに案件を依頼する理由についても事例とともに解説します。
話題性が高く、注目を集めやすい
VTuber業界は7年ほど前に誕生し、ここ数年で発展して急成長を遂げたエンターテイメントです。アニメ業界と比較すると歴史が浅いとも言われるVTuber業界ですが、最近はテレビニュースでも取り上げられて話題になることが多いです。
特に昨年からテレビニュースでも取り上げられている「志摩スペイン村」の事例は、記憶に残っている人も多いと思います。
志摩スペイン村とにじさんじに所属する周央さんごさんがコラボイベントを実施したのですが、来場者数やスナックの売り上げが大幅に増加したことから、VTuberファンの中だけではなくビジネス界でもかなり注目されました。
また昨年は元モーニング娘。の後藤真希さんや俳優の温水洋一さんらがVTuberとして活動を始め、両者ともにテレビニュースで取り上げられました。
上記の事例は来場者数や販売数といったところで数字が出ていたり、中の人を担当したタレントの影響力で取り上げられた可能性もありますが、「VTuber」という珍しいキーワードがメディア担当者に刺さってニュースで取り上げられたと考えられます。
テレビや新聞は性別や年齢問わず、多くの方が利用しているメディア媒体です。
最近はSNSが発達しつつありますが、幅広い年齢層を見た時に利用者が多いのは「マスメディア」であることは間違いないでしょう。「ニュース」は世の中でまだ知られていないことを発信し、多くの人に知ってもらうことが目的の一つであるため、取り上げるものの珍しさや新しさは非常に重要です。
よって、VTuberコンテンツを活用することで、テレビや新聞などの多くの人が視聴するマスメディアで取り上げられる可能性が高く話題になりやすいメリットがあるため、それを狙った活用も多くなっています。
▼ にじさんじに所属するVTuberがベストジーニスト賞を受賞し、そのニュースがテレビで放送されました!
熱量の高さが購買意欲につながるファンが多い
VTuberファンは熱量の高い人が多いです。国内で「推し」の文化が浸透していく中で、VTuber業界では特有の「推し」文化があります。
ファンたちはVTuberを応援したいという気持ちが強く、生配信中にはスーパーチャットなどを始めとした「投げ銭」をしたり、推しのVTuberが参加するイベントに駆けつける、推しのオリジナルグッズが販売されたら購入したりとさまざまな形で消費活動を行います。
また他にも推しが好きなものに詳しくなるために自分で勉強したり、推しにゆかりのある場所を訪れたり(通称「聖地巡礼」)、推しが普段からよく使用するもの・おすすめしたものは自分でも使ってみたり、購入したりします。
VTuber業界はVTuberたちがYouTubeやSNS上で活動していることから、双方でコミュニケーションを取りやすい環境で活動しています。よって、推しと楽しくコミュニケーションをしたいという思いから、ファンたちは推しとの共通の話題を探したり、作ったりします。その話題作りの活動は「推し活」と呼ばれることが多いです。
▼ 推し活を行うVTuberファンの様子
いこいの村涸沼温泉に入りました♨#因幡はねる#狼森メイ#まちスパ#ぶいじゃっく pic.twitter.com/i1Vq3Ympdi
— チョラノコッタ (@cholanocota) May 4, 2024
痛バも届いたのでフブちゃんの缶バッジで痛バ作りました!!
— ハル🍃🌽😈超ゲマズDay1参戦! (@Hal__0512) May 10, 2024
ビジュ良すぎるしほんと可愛すぎる!💕💕
この痛バでゲマズのイベント行くのめちゃくちゃ楽しみすぎる((o(。>ω<。)o))
(今回は8×10で作りました!)#届いたぞ白上#みてみて白上 pic.twitter.com/6yMlTKg34N
#志摩スペインサロメンゴ村
— 西園寺くみ🍋5/25a!💛🏠 (@93_ojou) May 10, 2024
凄く凄く楽しかった!!🇪🇸
スペイン村の良さを教えてくれてありがとす🩷🩷🩷🩷🩷🩷
アンバサダーおつさろめ💜おつかれサンゴ🩷 pic.twitter.com/1RMEuUeCCl
よって、企業案件としてVTuberを活用することで熱量の高いVTuberファンたちの積極的な消費行動やアクションが期待されます。
その結果、案件・企画が盛り上がるだけではなく、商品やサービスの販促、観光客の誘致などに繋がります。
VTuberへの案件依頼にかかる費用の相場
次に皆さんの気になるVTuberに案件を依頼する際にかかる費用の相場について解説します。
大手事務所に所属するVTuberを活用した場合、費用は数百万円〜数千万円ほどかかってきます。
話題性があり注目度の高いVTuberコンテンツの力を活用する場合、それなりに費用がかかるのは皆さんも想定の範囲内なのではないかなと思います。どういった条件で費用が変わるのか見ていきましょう。
費用が変わってくる条件について
① 起用人数
まずは起用するVTuberの人数で費用は変わります。もちろん起用するVTuberの人数が少なければ少ないほど、タレントに支払う報酬が安くなるのでかかる費用は少なくなります。
起用するタレントの人数が多いほど、マーケティングの効果が高いというわけではありません。案件に対して適切なタレントを起用すれば、少人数でも高い効果を出せるのもVTuberマーケティングの魅力です。
一方で大人数を起用すると業界内外で大きなインパクトを与えることができるといったメリットもあります。
(例:BASE BREADやHuelなど)
よってVTuberに案件を依頼する際は、適切な人数を起用するようにしましょう。
② 案件の内容
VTuberに依頼する案件の内容でもかかる費用は異なります。
VTuberの稼働量や拘束時間が長ければ長いほど、費用に影響します。
また案件に対して依頼を受けるVTuberの反応・相性が悪い場合は、断られることもあります。どうしてもそのVTuberに受けてほしいと依頼をするなら、相場よりも多い報酬が必要になることも珍しくありません。
その理由は、報酬をもらって行う企業・PR案件に対して「ステマ」や「お金稼ぎ」などの、マイナスの印象を持っている人たちが一部いるからです。そのためVTuberにとっても自身のブランドやイメージを守るために、相性のよい案件・キャラクターにあったものを選んでいます。
またVTuberへの依頼費用は相手の影響力や個人・事務所所属といった立場でも相場感が異なります。そのため、企画の段階で正確な見積もりを作るのは難しく、報酬の調整が必要となる場合は多いです。
そのため案件を依頼したいVTuberに目処が立っている場合は、早い段階で見積もりを作ってもらうことをおすすめします。
また誰に依頼するか、VTuberのキャスティングを専門の企業に任せたい場合は、企画段階から相談をすると予算の計画を無駄なく立てられます。
③ 起用するVTuberの影響力
最後に起用するVTuberの影響力によっても異なります。タレントの影響力を数値化したものとしてよく挙げられるのが「YouTubeのチャンネル登録者数」と「Xのフォロワー数」、「YouTubeに投稿される動画の再生回数」です。
やはり大手事務所で活躍している方は上記の数値やファンの数が多いことから、インフルエンサーとしての影響力がとても高く、起用するとなると高額なキャスティング費用がかかります。
しかし案件の内容によっては、ただタレントとしてのパワーが強いVTuberをキャスティングするだけで、成果につながるわけではありません。
もちろん影響力の強いVTuberを活用すれば大きな宣伝効果を見込めますが、最大限の結果を求めるならば、その案件にちゃんと合ったタレントを起用することが重要です。もし案件に対して適切ではないタレントを起用してしまった場合、その案件は不発で終わってしまうことも大いにあり得ます。
VTuberをキャスティングする際は、案件に対して適切なタレントを起用するようにしましょう。
数字で見るVTuberのインフルエンサーレベル別の費用感目安
大手事務所に所属するVTuberは、多くがYouTubeチャンネル登録者数が10万人~100万人のマクロインフルエンサーや、チャンネル登録者数が100万人以上のメガインフルエンサーにあたり、大きなインフルエンサーとしての影響力を持っています。
- メガインフルエンサー:登録者数50万人以上
- マクロインフルエンサー:登録者数10万人以上
- マイクロインフルエンサー:登録者数1万人~10万人
- ナノインフルエンサー:登録者数1万人以下
一方でYouTubeチャンネル登録者数が1万人~10万人のマイクロインフルエンサーや、登録者数が1万人以下のナノインフルエンサーたちも相当のインフルエンサー力を持っています。そのため案件によっては、大きな効果を生み出す可能性もあります。
マイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーを起用する場合、費用は30万円ほどに抑えられることができることがあります。実際に弊社ではVTuberの中でもマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーを活用したプロモーションに成功しています。
VTuberマーケティングを行う上で企画の設計や適切なキャスティングを行うことは非常に重要です。VTuberマーケティングについて詳しく知りたい方はぜひ下記の記事をご覧ください。
VTuberマーケティングを依頼する際、費用面から注意したいこと
VTuber業界は独特の文化を持っています。よって、VTuberマーケティングを行う場合は業界内の暗黙のルールやタレント・ファンの属性をちゃんと把握した上で実施しないと、効果的なマーケティングを行うことが難しくなってきます。
企業や自治体でVTuberマーケティングを行う場合、基本的にVTuberマーケティングサービスを提供する企業や専門家に依頼する場合がほとんどです。そこで専門企業にVTuberマーケティングを依頼する際に費用面で注意しておきたいポイントを2つご紹介します。
依頼先の企業の公式サイトで実績を確認する
安くない費用を支払うのならば、ちゃんと結果は出したいもの。でもどうやって依頼先を見つければいいのかわからないという方も多いですよね。
まずは依頼先として考えている企業の公式サイトを確認しましょう。企業の多くは公式サイト内に実績を掲載しているため、VTuberマーケティングに対する実績やノウハウがあるかを確認するには非常に参考になります。
現在VTuberマーケティングサービスを提供している企業はいくつかありますが、もし業界知識があまりなく、初めてVTuberマーケティングを行う場合は、より専門性の高いVTuber業界に特化した企業を選ぶと良いでしょう。
VTuberマーケティングのメインターゲットになるVTuberファンの心理やファン行動の特徴に対して深い理解と知識を持ち、業界に詳しければ詳しいほど結果につながる可能性が高くなります。
よって、VTuberマーケティングの成功事例をちゃんと持っている専門企業を選びましょう。
どのような効果・成果を得たいかを考えたらまずは企業に相談しよう
次に注意する点は、自社でVTuberマーケティングを実施する場合、どのような効果を得たいのか、ゴールを考えておくようにしましょう。目的によってかかる費用も変わってくるので、余分な代金を支払わないためにもまずはゴール設定を行っておくと良いです。
例えば、プロモーションとして「メイク用品」をVTuberマーケティングを活用して販売する場合、男性ファンが多いVTuberを起用しても「メイク用品」の販促に繋がりません。またどれくらい商品を売りたいかで起用するVTuberの規模も異なります。
よって、VTuberマーケティングでプロモーションを実施する・VTuberを活用してPRを行いたい場合は、どの商品をどれくらい売りたいか、どのような効果を得たいかなど、定量的もしくは定性的なゴールを決めた上で企業に依頼すると良いでしょう。
もしゴール設計をするのが難しければ、専門家と相談しながら決めていくことをおすすめします。
VTuber起用の企業案件の成功事例
では最後にVTuberを起用した企業案件の成功事例についてご紹介させていただきます。
大手事務所にじさんじを活用した美容品販促の成功事例
大手事務所「にじさんじ」に所属するVTuberを活用してプロモーション施策を実施。にじさんじのタレント3名を起用し、生配信を実施して商品を紹介しました。
VTuberらのカラーに合わせてヘアケアセット商品が販売されたのですが、配信後わずか10分で商品がすべて完売し、大きな話題となりました。
食特化型のライブコマース事業の成功事例「バーチャル物産展」
「バーチャル物産展」は、株式会社uyetが運営するライブコマース事業です。定期的に実施されるオンライン型物産展イベントであり、毎回企業で販売されるイチオシ商品が出品されます。
VTuber業界では定期イベントとして定着しつつあるり、一昨年からJAタウンと共同で「JAタウン バーチャル物産展」を開催。2023年度はなんと計4回実施しており、毎回大盛況のイベントです。
このイベントで起用するVTuberは基本的にマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーにあたります。VTuberは「食レポ」で商品の魅力を紹介し、ファンたちはVTuberたちの食レポを楽しみながら商品を購入します。
特に2023年秋開催の「JAタウン バーチャル物産展」では、会場への来場者数が2000人を超え、中にはこれまであまり販促数が伸びなかった商品が、このイベントをきっかけに売れ行きが伸びていくようになりました。
その案件に適切なVTuberをご紹介させていただきます!
今回は多くの方が気になるであろうVTuberに企業案件を依頼した場合の費用相場について解説しました。
VTuberマーケティングを実施する場合は、基本的に専門企業に依頼して、VTuberマーケティングサービスを利用するパターンが多いです。もちろん自社でVTuberマーケティングを実施するよりも費用はかかりますが、成果に繋げたいのであれば間違いなく知識を多く持つ専門企業に頼った方が良いでしょう。
また、ただ人気のVTuberを起用すればVTuberマーケティングは成功するわけではありません。もちろん大手事務所に所属する人気のVTuberをキャスティングした方がインパクトは大きいですが、販促につながるといった保証はできません。
実際に株式会社uyetでは、マイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーといったYouTubeチャンネル登録者数1万人~10万人のVTuberたちを起用して商品販促やPRに成功しています。
VTuberに案件を依頼したい、VTuberを起用した販促プロモーション・PRに興味のある企業・自治体の方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社までご相談ください。