VTuberマーケティングを行う際に重要なコンテンツである「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」。
この記事を見ているみなさんは、SNSマーケティングを行う上でUGCの影響力の高さを知っており、どうしたらポジティブなUGCをたくさん生成できるのか知りたい方が多いのではないかと思います。
株式会社uyetではさまざまな企業様・自治体様とともに企画や事業を行っています。その知見を活かして、今回はVTuberマーケティングでUGCをたくさん生み出すための方法を紹介します。
ぜひ最後まで読んでみてください。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)とは
「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」は「User Generated Content」の略称であり、商品・サービスの提供者である企業や自治体側ではなく、消費者側(ユーザー)から商品・サービスなどに関する制作や発信が行われたコンテンツのことです。
・X(旧:Twitter)への投稿
・Instagramへの投稿
・ブログ記事での紹介
・YouTube動画での紹介
・ECサイトの商品レビュー
など
VTuberの発信するコンテンツは、視聴ユーザーと同じ時間を共有して楽しむライブ配信コンテンツが中心です。配信中や狙ったタイミングで反応や配信実況・口コミをはじめとしたユーザー発信のコンテンツが集中的に増えます。
そのため、VTuberの活動は仕組みそのものがUGCを創造しやすい環境であり、VTuberを活用した企画やマーケティングを考える場合には、UGCから生まれる高価や影響を最大化できる設計を考える必要があります。
UGCと関連したマーケティング用語も知っておくと、どのコンテンツを増やすことが自社に必要なのか考えやすくなるかもしれません。
《番外編》
◻︎IGC:
「Influencer Generated Content(インフルエンサー生成コンテンツ)」の略称。
企業・自治体から案件を依頼されたインフルエンサーによって生み出される商品・サービスなどに関連したコンテンツです。
ユーザーによって自発的に投稿されるUGCと異なり、IGCは多くの場合は企業・自治体側の依頼で制作されています。
◻︎CGM:
「Consumer Generated Media(カスタマー生成メディア)」の略称。ユーザーによって投稿される情報で作られるWebサービスのことを指します。CGMの例としては、Q&Aサイト、化粧品の口コミサイト、レシピ投稿サイト、グルメサイト、イラスト投稿サイトなどが該当します。
マーケティングでUGCが大切な理由
VTuberマーケティングは「SNSマーケティング(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」の一つであり、「SNSマーケティング」は言葉の通りYouTubeやX(旧:Twitter)などのSNSを使って商品やサービスが売れる仕組みを作ることを指します。
「SNSマーケティング」が、なぜ注目がされているのかをまずは解説させていただき、その上でUGCの重要性についてお話させていただきます。
なぜSNSマーケティングが注目されているのか?
「SNSマーケティング」は注目されているマーケティング手法であり、多くの企業や自治体などが当たり前のように取り組んでいます。その理由は「SNSマーケティング」が注目される最大の理由は「スマホ普及率・SNS利用率の増加」です。
これまでは企業・自治体では、テレビや新聞紙、雑誌、街中の広告などを利用し、商品やサービスのPRを行ってきました。
そんな中で十数年前にスマホが普及して多くの人がスマホを保有するようになり、またスマホの普及によってインターネットの利用者が増加。今では、若者世代を中心にほとんどが利用しています。
またそれまでは「Yahoo!」や「Google」などの検索を利用して情報を得ていた若者世代がSNSを利用するようになり、SNSで検索をして情報を得るのが当たり前の時代となりました。
画像引用:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/230529_1.pdf
SNSの利用量が増加し、若者世代は今や「SNS」で情報をキャッチするようになりました。
(例えば飲食店を決める時にInstagramを利用したり、行きたいと思っているイベントの評判を知りたくてXで検索をかけるなど)
よって、消費者の購買行動としてこれまでテレビCMを見て購入する商品やサービスを決めていたものが、ここ数年はSNSで情報を回収して商品・サービスを購入する流れになってきたことで「SNSマーケティング」が注目されるようになりました。
口コミが購買の決め手になるため”UGC”の重要性は高い
ユーザーのSNSへの投稿やインターネット上での口コミをはじめとするUGCは、商品・サービスのPRを行う上で非常に重要なコンテンツになってきます。
YOTPO社による調査結果では、商品を購入する前にUGCを見るという人の割合は「2人に1人」だと言われており、UGCの影響力はとても高いです。
(参考:https://www.yotpo.jp/what-is-ugc)
UGCは企業と利害関係のない消費者から生まれるコンテンツであるため、消費者から信頼を得やすいというメリットがあります。企業が作る広告は商品やサービスの良い面を押し出すものが多い傾向がある一方で、第三者の消費者によるUGCでは商品を利用した率直な感想が発信されます。
よって、UGCは企業が出している広告よりも信頼度が高く、近年はインターネット上で簡単に口コミやレビューを投稿できるようになったことから、UGCの需要性はかなり高くなっていると言えるでしょう。
特に若者世代はUGCの影響を受けやすいと言われています。ビデオリサーチ社が発表したデータより、特に10代〜20代を対象とした「Z世代」がSNSを参考にして商品を購入していることがわかっています。
画像引用:https://c.kodansha.net/news/detail/39918/
よって、VTuberのファン層である若者世代はUGCの影響を受けやすい世代であり「SNSマーケティング」と「VTuber」は相性抜群であることがわかります。
UGCが出やすい・出にくい商材とは?
多くのUGCを生成することを目標とする場合、UGCが出やすい・出にくい商材を理解しておく必要があります。
① 人に勧めやすい商材
② 有形商材
③ 絵になりやすい商材(写真・動画映えがしやすい商材)
例えば、UGCの出やすい商材は「食」や「ゲーム」、「コスメ」、「アパレル」、「本」などが挙げられます。
どれも日常会話で話題にしやすく、人に勧めやすい商材であることがわかりますよね。また有形商材であることが重要で、写真や動画にしやすい商材というのはUGCとして投稿がされやすいです。
また有形商材かつ写真や動画で撮影したい際に映えやすい商材であると、UGCは投稿されやすいです。
① 日常会話で話題に出しにくい商材
② 無形商材
③ 情緒的価値が薄い商材
その一方で、UGCが出にくい商材として「ゴミ袋」や「乾電池」がよく例に挙げられますが、日常会話で「ゴミ袋」や「乾電池」が話題に出ることはかなり少なく、「ゴミ袋」や「乾電池」は「情緒的価値」が薄い商材であることから、UGCが出にくい商材になります。
また「コンプレックス商材」も日常会話で話題にしにくい商材であることから、UGCが出にくい商材としてよく挙げられます。
VTuberを絡めると相性が悪い商材でも十分宣伝ができる可能性もある
UGCが出にくい商材であったとしてもVTuberマーケティングが使えないということではありません。UGCの出やすい商材であったとしてもVTuberマーケティングと相性の悪いジャンルもあります。
◻︎VTuberマーケティングに向いているジャンル
ゲーム、PC周辺機器、漫画、アニメ など
VTuberマーケティングに向いているジャンルに向いているジャンルとしては、1番にゲームが挙げられます。
実際にゲーム実況を武器に活動を行っているVTuberがたくさんいること、VTuberファンは比較的ゲームを好んでいる人が多いことから、「ゲーム」はとても相性の良いジャンルです。また同様の理由で「アニメ」「漫画」も相性の良いジャンルと言えるでしょう。
◻︎VTuberマーケティングに向いていないジャンル
食、化粧品、アパレル、スポーツ、旅行 など
一方でVTuberマーケティングにあまり向いていないジャンルもあります。
「食」「化粧品」「アパレル」といった話題になりやすく、写真映えや動画映えしやすいジャンルであることから、SNSなどでUGCが投稿されやすい、つまりSNSマーケティングを行う上ではとても相性が良いジャンルと言えます。
しかしVTuberマーケティングを行う上では「食」「化粧品」「アパレル」はとても不向きなジャンルです。
理由としては、VTuberはあくまでも画面上のデジタルキャラクターであり、YouTubeやXでもデジタルの姿で活動を行っていることからYouTubeやXに商品を載せることが難しいという点が挙げられます。
よって「食」「化粧品」「アパレル」などの場合は、商品をPRのために実物を写真や動画に映すことが難しく、VTuberマーケティングを行う上で不向きな商材と言えるでしょう。
そんな中で「バーチャル物産展」では「食」のPRを行っています。実物の写真を動画や写真に映すことが難しい分、「食レポ」で商品の魅力をお伝えしております。
「食レポ」はVTuberのトークスキルが高いからこそできるPR方法であり、VTuberマーケティングの不向きな「食」の商品販促に成功しています。
UGCを創造・投稿させるVTuberマーケティングの方法を解説
では、次に企業に効果的なUGCを投稿していただくための「VTuberマーケティング」の方法について解説させていただきます。
「UGC」の種類について
UGCを生成させる企画を考えていく上でまず考えたいのは「UGC」の種類です。ここで考えるのはUGCが「誰から投稿されたのか」です。投稿元は誰なのかで分類を行うとUGCの種類は2つあります。
① インフルエンサー(VTuber)によるUGC
② ユーザーによるUGC
VTuberマーケティングを行う場合、起用VTuberによる投稿も「UGC」になります。ただ起用VTuberによる投稿の中でも、依頼主側でUGCの内容を設計してして起用VTuberに投稿を行わせた場合はUGCに含まれないことになります。
⚪︎UGCである投稿
×UGCでない投稿
😈本日19時から配信🐙
— あくまメリル😈🐙 (@bookVtuber) February 19, 2024
今日の配信まで食べるのガマンしてました
販売期間は3/2まで!
飯テロします!#人類オムライス化計画 #バーチャル物産展 #PR
【食レポ】ポムの樹のオムライスを食べます バーチャル物産展コラボ 【 あくまメリル | エクプロ所属 】 https://t.co/dmjA6744Y6 pic.twitter.com/Mx7CoxHhq0
UGCを投稿させるVTuberマーケティングの方法
「UGCを投稿させること」を目的とした場合のVTuberマーケティングの方法について解説させていただきます。
① どういうUGCを出したいかを考える
② ①を参考にして企画を考える
VTuberマーケティングを行う手順は非常にシンプルで、上記の2ステップになります。
最終的なゴールを「理想のUGCを投稿してもらう」と設定し、逆算してどういった企画だと理想のUGCを投稿することができるのかを考えます。
これまでVTuberマーケティングに触れてこなかった方が、VTuberマーケティングを考えることは非常に難しいことです。
VTuberマーケティングはいかに引き出しを作っておくかが重要になってきますので、ぜひすでに世に出ているVTuberマーケティングの施策を日頃からインプットしておくと良いかもしません。
理想のUGCを投稿してもらうためのVTuberマーケティング方法について考える上で、一番注意していただきたいのは「UGC内容を依頼主側が考えて起用VTuberに投稿を指示しないこと」です。企画を作る時はガチガチに企画を作ってしまうのではなく、ユーザーが自らの所感や意見を含んだ内容で投稿ができるように、ある程度余白をもって自由度がある状態で企画が作られると良いでしょう。
V Tuberマーケティング成功例について知りたい方は、下記の記事をご覧ください!
UGCが生成される仕掛けを作った”VTuberマーケティング”事例を2つ紹介
VTuberマーケティングを行う上で、UGCがたくさん投稿される仕掛け作りは非常に重要です。
UGCが出にくい商材を扱う場合は、特に消費者がUGCを投稿したいと思う仕掛けをしっかりと考えておくことが必要です。
ここでは実際に株式会社uyetで実施した2つの企画を例に挙げながら、多くのUGCを生成させるための基本的な仕掛け作りについてご紹介します。
① Charapo!×ポムの樹「ポムの樹ってどんな樹なん」
② 「バーチャル物産展」プレゼント企画
① Charapo!×ポムの樹「ポムの樹ってどんな樹なん」
株式会社uyetで運営している「Charapo!」にて、昨年オムライス専門店「ポムの樹」様とともにコラボ企画を実施させていただきました。
🌲 #ポムの樹ってどんな樹なん 🌳
— Charapo!(キャラポ)📚|“VTuber.Vライバーのオシゴト“ポートフォリオメディア (@Charapo_v) February 10, 2023
皆さんの想像する「ポムの樹」をツイートで教えて下さい🙌
ツイートの中から抽選で20名様に、
『ポムの樹の冷凍オムライス』をプレゼントします🎁
■募集期間
・2/10~2/16
■参加方法
・フォロー・いいね&RT
・ #ポムの樹ってどんな樹なん を使用しツイート#ad pic.twitter.com/B8lBXXGSmA
本企画は、VTuberやVTuberファンの方の想像する「ポムの樹」をツイートで投稿していただく形で約1週間ほど開催。
投稿の際に使用可能なテンプレートを準備し、投稿が行いやすいよう設計をしました。参加してくださったVTuberのみなさんのご協力もあり、たくさんの方にご参加いただくとともにたくさんのUGCが生成されました。
また企画に対するツイートだけでなく、実際に「ポムの樹」のオムライスを食べに行った報告ツイートも多数行われており、企画に関するUGCが多数投稿されたことから実店舗へオムライスを食べに足を運ぶ人たちが生まれた可能性が高いと考えております。
このようにたくさんのUGCを投稿してもらうためには、「UGCが自然と発生する企画作り」が重要です。こちらの企画では「ポムの樹のオムライスがどんな樹かを考える」といった企画内容で、界隈の多くの方が参加したいと思えるような企画テーマ・企画設計がなされていたことから多くUGCを生成することができました。
上記はハッシュタグを使用してツイートを投稿すると企画に参加できるというものになっており、もし企画に参加したいと思ったら必然的に参加者がUGCを投稿しないといけないという状況が作られました。よって、これは企画に参加したいと思う人が多ければ多いほどUGCがたくさん投稿される仕組みになっています。
企画への参加条件に「UGCの投稿」があることで、企画に参加する人が増えるとともに自然とUGCが増加していきます。もしこの手段でUGCを多く生成していきたいのであれば、より面白いコンテンツ・企画を生み出し、たくさんの人たちに「企画に参加したい!」と思っていただけるようなコンテンツ・企画を作ることが必要になってきます。
② バーチャル物産展のプレゼント企画
株式会社uyetで運営している「バーチャル物産展」のプレゼント企画でも、ただプレゼント企画を実施するだけでなく、UGCが生成されるような設計が企画に組み込まれています。
「バーチャル物産展」のハッシュタグとバーチャル物産展のイベントに関連するスクリーンショットをつけて投稿を行うことで、プレゼント企画に参加できるようになっています。よって、バーチャル物産展の開催時刻にあわせて、X上にバーチャル物産展のスクショがたくさん流れる状態を作ることが可能です。
また投稿されるUGCはイベントに関連するスクリーンショットであるため、UGCが投稿されることによってバーチャル物産展の認知をさらに拡大できる可能性があります。認知が広がることで物産展でご紹介している各地のおいしい商品の存在をより多くの人に知っていただき、さらに購入を検討してもらえる可能性も高まります。
こちらの企画はプレゼントキャンペーンに「UGCが生成される仕掛けを組み込む」ことによって、UGCが多く生成されました。このように何か企画を行う中でUGC生成の仕掛けを企画に組み込むことも、非常に効果的な方法です。
ただプレゼントキャンペーンを行っているだけではなく、応募条件にUGCの投稿(スクショ付きツイート)が必須になっているため、参加したい方は必然的にイベントに関するUGCを投稿しなくてはいけないプレゼントキャンペーンになっています。
また上記のプレゼントキャンペーンはRTも応募条件に入っていることから、応募者が多ければ多いほど拡散されていきます。よって、UGCの投稿とRT(リツイート)のダブル効果によって、より多くの方に情報が発信されていく仕組みにもなっています。
もしこの仕組みを使ってUGCを多く生成していきたいのであれば、プレゼントキャンペーンの特典商品をより豪華にする必要があります。たくさんの人たちに「キャンペーンに参加したい!」と思っていただけるような特典商品を用意しましょう。
批判的なUGCが出てしまった時…
思いもよらぬところで批判的なUGCが出てしまった…そんな時にどういった対応を行うと良いのか気になりますよね。批判的なUGCが出てしまった時の対応方法についてご紹介させていただきます。
批判的なUGCを発見した時、まずはこちらから何もしないことが重要です。何かこちらアクションを起こすことで炎上を招いてしまう場合もありますので、批判的なUGCに対してアクションを行うことはまずは避けましょう。
自分たちに非がある場合は、批判的なUGCに対して適切な対応を行いましょう。
(投稿者に対して連絡を行う場合は、SNS上などオープンの場所では行わず、メールやDMなどのクローズドで行うようにしましょう)
自社とってマイナスなUGCは必要がないのかと言われると、必ずしもそうではありません。
自社にとってマイナスなUGCが投稿されることで、自社の商品やサービスがどういった見られ方をしているか、客観的な意見を知ることができます。UGCに対する改善を行うことで、商品やサービスがさらに良くなっていくことになります。
よって、自社にとってのマイナスな投稿も自社の商品やサービスを良いものにしていくためにはとても重要になってきます。
VTuberマーケティングは「UGU」が多く生まれる設計が重要!
今回の記事では、VTuberマーケティングを行う上でのUGCの重要性やUGCを生成させる方法についてご紹介しました。
VTuberマーケティングを行う上で「UGC」の存在は切っても切れないものです。もしVTuberマーケティングを行う際は、UGCが多く投稿されるコンテンツ・企画の設計を行うことが最も重要であり、しっかりと業界のトレンドに合わせてコンテンツを作る必要があるでしょう。
- UCGの創造を狙うには、思わず参加したくなる・広めたくなる企画設計をする
- プレゼントや抽選キャンペーンを絡めて、運用元アカウントや参画VTuberのフォローとRTを促す
- VTuber業界は動画配信の実況やハッシュタグ活用など、拡散につながるアクションをつくりやすい
現在株式会社uyetでは、企業・自治体向けの「VTuberマーケティング」サービスを実施しております。
もしご興味がある方はぜひお問い合わせください。