- VTuberを活用したまちおこしが気になる
- 地方創生の取り組みをしているが若い世代への打ち手が足りない
- VTuberとコラボしたあの地域の取り組みをうちもやりたい!
VTuber業界はまだ若い市場ですが、成長スピードが速く、年々より多くの一般の方にもVTuberの存在や影響力が広く知られるようになってきました。また地域とのコラボ成功の事例も増えてきています。
この記事では、VTuberが持つ若い世代や地域とのコラボレーションの可能性や、いま取り組むべきメリットをお伝えします。
「地方創生」に関するVTuberと地域・企業がコラボした事例もご紹介します。
地方創生・まちおこしの抱える課題
地方創生とは、東京や大阪などの都心部の人口集中を食い止め、地方自治体と国・企業が一体となり、地方の経済を活性化させようとする取り組みのこと。
地域の少子高齢化や人口減少、若者の流出などの複数の問題が絡むなかで、「地元に住み続けたい、帰りたい」と思える地域にするために、地域資源を活かした産業づくりや移住・定住促進、観光や文化の発信など、さまざまな工夫が続けられています。
しかし、予算や人手が限られる中でどのように地域の魅力を伝えるのかは、多くの自治体や企業が抱える悩みです。
VTuberやデジタルの力を活かした新しいまちづくりは、地方が持つ悩みの解決に期待を寄せられる注目のマーケティング施策と言えます。
1.世代の悩み:Web・SNS発信の不足や若年層への接点・アプローチ不足
- 若年層・Z世代に情報や魅力発信が届かない
- 地元が抱くイメージと外部の認識にズレがある
- 地域の魅力が「伝わらない」「普通すぎる」と思われる
最初に取り組みやすい施策としてあげられる、WebサイトやSNSを活用したネット上への発信・露出を増やす方法ですよね。
とくに若年層やZ世代に向けたアプローチでは、SNSや動画を活用した手法に不慣れな自治体も多く、情報の届け方にギャップが生まれがちです。
VTuberなら若い世代にも情報を届けやすい
VTuberのファン層はZ世代を中心としており、最近だと小学生からも人気のコンテンツになっています。
「デジタルネイティブ」と呼ばれる、生まれた時からスマホや常にネットが身近にある環境で育ってきた世代にとって、VTuberは身近なテレビタレントのような存在。
SNSを見る頻度も高いので、VTuberとコラボをすることで自然と発信を見てもらえる機会が増えていきます。

2.広報・まちおこしに関わる人材の不足
- 担当者が一人、他業務と兼任で町おこしの企画に注力できない
- 地元の商店街、人々との関係性や協力体制が築けていない
- 外部のパートナーを探しても経験が無いため誰に頼むべきか判断できない
- Uターン・Iターン促進が進んでおらず、若者が地元に関心を持てない
まちおこしや地域のPRは、企画立案や地元の人々との協力が必要となり、広報担当者だけでは手が足りなくなるのが現状です。
地域によって抱える問題は複数あり、なかなかモデルケースが見つからないことも難しさに拍車をかけています。
解決のヒント:VTuberを“発信担当”として活用
そんな広報の面では、広報担当者に「VTuber」をキャスティングもしくは起用するという方法が、注目を集めています。
バーチャルキャラクターを広報におくことで、若い方への情報発信にもつながるほか、広告塔としての役割を担ってもらうこともできます。
3.企画や運営のノウハウ不足、設計の難しさ
- 地方創生に関わる企画やアイデアが考えられない、浮かばない
- 単発でイベントを行っても継続する仕組みがなく、一過性で終わってしまう
- 他地域と差別化できる地域のアピールポイントの見せ方を考えられない(何も無いと思っている)
地方創生に限らず、イベント企画の難しさは「継続的な仕組みをつくる」こと。
また地域資源やまちの魅力は、そこに住んでいるからこそ見えない部分もあり、本当は差別化や個性的なものがあるのにそれを見落としてしまう・埋もれさせてしまうこともあります。
すでに成功しているVTuber活用企画とコラボや外から魅力を見つけてもらう
数年前と異なり、現在は地域や名産品、観光地などとVTuberがコラボする企画が多く誕生し、成功事例も多く出ています。
1から企画を考えるのが難しい場合は、すでに成功しており、マーケティングのプロが関わっている企画とコラボすることで設計やノウハウ不足は解消できます。
また外の方に関わってもらうことで、新しい魅力の発見にもつながります。
地域を外から見たときにどういった魅力があるのか再認識にもつながり、VTuberのみなさんに発信してもらうことでより共感を得られます。
4.広報予算が少ない・費用対効果が見えにくい問題
- 広報予算が少ない/公的予算の承認に時間がかかる
- なんとかしたいと思うが、予算をとってでも進めたい企画がない
- 広告やPRに投資しても、費用対効果をなにで図るのか判断基準があいまい
広告ではなく広報やPRへの投資には、可視化しにくい成果や関係性の構築など、1度限りでは見えにくい部分が多々あります。
報やPRに力を入れたくてもどれほどの予算を投資すれば良いのかは、地方創生に限らず、多くの企業でも悩みのつきない課題です。
5.観光誘致・ふるさと納税などへの取り組みの難しさ
- 観光資源があるはずなのに、観光客へのアプローチが不足
- インバウンドからの回復ができていない
- 他地域との返礼品と差別化、独自の魅力を提案できていない
観光資源や地場産品があるのに、うまく発信できず埋もれてしまう、上手く活かせていないということも多くの地域が抱える問題です。
ふるさと納税や観光誘致においても、他地域との差別化に悩む声は多く、思い切った打ち手を出せずに機会を逃してしまうケースもあります。
観光誘致やPRはVTuberに任せ、地元は魅力発掘と受け入れに集中する
観光地や特産品の魅力発信は地元の人だけが頑張るのではなく、起用タレントに任せることで、役割の切り分けや地元の人達だけではできない発信の仕方が実現できます。
またふるさと納税などの仕組みを活用したまちスパチャプロジェクトでは、VTuberが紹介・口コミした名産品が購入できたり、コラボ限定の返礼品づくりを通してふるさと納税の認知拡大や購入へつなげています。
またいきなり地域全体で動くことが難しければ、地方の名産を全国に発信する「バーチャル物産展」などのでVTuberさんに専属の売り子となって食レポなどをPRしてもらうことで、自然と認知を広げてもらうこともできます。
「地方創生・まちおこし」でVTuberを活用するメリット
ここまで、地方創生の取り組みで発生する悩みからVTuberがコラボをすることで問題解決につなげられる可能性までを解説しました。
ここからはさらに実例を見ながら、VTuberを活用するメリットを見ていきます。
VTuber業界だけではなく、すでに成功した自治体の取り組み事例も含めてご紹介しますので、ぜひご覧ください。
VTuberファン層のZ世代・α世代へのアプローチに大きく期待できる
VTuber活用でとくに注目されているのは、若い世代(Z世代・α世代)への情報発信・認知拡大のアプローチです。
2024年に行われたアンケート調査では、VTuberのコンテンツを日常的に触れているファン層は、男女ともに10代後半〜30代で広く親しまれていることが明らかになりました。
とくに、男性は50%以上がVTuberコンテンツを日常的に見ていると回答されています。

【リサーチ】Z世代のVTuber意識調査どこが好き?タイアップ商品は買う?
VTuber市場自体が右肩上がりの業界、多くの人とお金が集まる業界
VTuberのコンテンツを受け取る側だけではなく、市場の中でビジネスの展開を行うIPやグッズ展開など、コンテンツを提供する側の参入も右肩上がりであることが市場調査からも読み取れます。

VTuber業界は多くの人とお金が流れ込む市場として、自治体だけではなく多くの企業や事業者からも注目されているのです。
弊社の事業「まちスパチャプロジェクト」も、「VTuber×ふるさと納税」という異なる市場をかけあわせ生まれた事業の1つです。
人手不足や地方問題をVTuberが解決!
VTuberと他業界を掛け合わせた事業開発の成功法

人手不足や地方問題をVTuberが解決!
VTuberと他業界を掛け合わせた事業開発の成功法
まちスパチャプロジェクトなど、地域に根ざした企画が広がっている
地方創生の取り組みで問題になる費用やPR、企画の壁を、自治体や地域の皆さまだけで超えていくのは非常に大変なことです。
しかし、弊社事業を含めてVTuberが地域を応援するコラボやPRの取り組みの成功事例は徐々に増えてきています。
ご当地VTuber図鑑など、非公認でも地域を応援する動きも活発に
VTuberの演者(中の人)が、自身の出身地や関わりのある地域を公開して応援・PRするという動きも活発になっています。
また個人で地域を応援する活動をしていたことがきっかけとなり、公認の広報大使や観光大使に任命されるという事例も増えています。
▼ご当地VTuber図鑑
事例:長崎創生プロジェクト事業「V-NYAREN」
長崎県長崎市の地方創生事例では、長崎の魅力を発信するご当地VTuberユニット「V-NYAREN」は、活動3年目に長崎創生プロジェクト事業に正式に認定されました。
【VTuberグループが魅力を発信😆】
— 長崎市役所総合公式 (@nagasakishikoho) August 21, 2024
長崎の魅力発信に取り組むご当地VTuberグループ「V−NYAREN」による魅力発信を長崎創生プロジェクト事業に認定しました✨
バーチャルキャラクターの「かすていらヨリコ」さんや「あもじょシロ」さんが、長崎の魅力を多くのかたに届けてくれます🙌 pic.twitter.com/ehWaQPvKTW
地域の広報・PR担当の起用は長期的な費用対効果が期待できる
VTuberをコラボ相手として一時的に起用するのではなく、地域に根づいた「広報・PR担当」として迎える動きも増えています。
こうした長期的な設計は継続的な情報発信だけでなく、地域住民との接点づくりの効果も期待できます。
広報・情報発信の顔としても専属のVTuberがいることで話題になりやすく、ブランディングイメージが定着して自治体や企業の発信にも一貫性が生まれます。
茨ひよりさん(茨城県公認VTuber):自治体で最も早く自治体公認のPR担当VTuberを起用
自治体のVTuber活用成功事例として有名なのは、茨城県の「茨ひより」さんの事例です。
茨城県庁の公式広報担当としてデビュー。県のPR動画やキャンペーンに出演し、現在もYouTubeでの発信を続けています。
茨城県の情報を身近に、親しみやすく届ける存在として人気を集め、その経済効果は約5億円にも上ると言われています。(広告換算額2021年3月末時点)

茨城を魅力度ランキング最下位から救った県公認VTuber【経済効果5億円】
埼玉バーチャル観光大使 「春日部つくし」さんの事例
春日部つくしはバーチャル埼玉県民として活動しているVTuber。
2021年から「埼玉バーチャル観光大使」に任命され、埼玉を盛り上げる活動を行っています。
「埼玉バーチャル観光大使」として埼玉の観光情報を伝える「ちょこたび埼玉公式チャンネル」に出演しており、春日部つくしさんが出演してからYouTubeチャンネル登録者数は1年半で15倍に急増しました。
また彼女がガイドを務めるバスツアーの参加者を県物産観光協会が募集したところ、販売開始から1時間半で定員数に達し、バスツアーは大盛況となりました。生配信を実施した際に関連する物販サイトのアクセスが2倍に増えたりと、その影響力はとても高いことがわかります。
他にも埼玉のための取り組みを実施して実績を残したことが認められ、当初の任期は1年だったにも関わらず、現在も「埼玉バーチャル観光大使」として活動を継続して行っています。
VTuberを起用した地方創生・街おこしの企画を成功させるポイント
VTuberとの取り組みを“やって終わり”にしないために。
ここでは、VTuberを活用した地方創生・街おこしの企画を実際に成功へ導くために大切なポイントを紹介します。
地域・VTuber双方の魅力を引き出し、継続的な成果につなげるためぜひ参考にしてください。
地域・VTuber双方の魅力を活かした共創する設計が必要
VTuber活用において、VTuberはキャラクターIPとしての側面を持ちながらも、演者の人柄が多くのファンを掴むかけがえのない魅力となっています。
VTuberマーケティングそのものが、ファン層とVTuberたちの信頼・熱量の高い関係性を重要視して設計が行われています。
そのため、VTuberをただの広告塔として扱うことや地域の方々が不利益を受けること、やってほしくない見せ方やPRをしないように、関わる人々が共創できる企画設計が重要となります。
地域の取り組みは長く続く、長期目線の運用体制をつくる
1つの企画が成功しても地方創生の取り組みは長く続きます。
企画で得られた成果や前向きなアクションを、次へつなげていく体制を同時に考えていなくてはいけません。
ともに企画を成功させたVTuberだけではなく、企画に協力してくれた地域住民や企業の方々との関係性を絶やさないよう交流の体制をつくったり、広報担当や地域振興の部署に人員を増加させるなど、イベントが終わったからこそ仕組みを変えられる部分も出てくるかも知れません。
また次にイベント・企画を開催するためにもかかった費用の見直しや予算の確保など、再び外部と協力して地域を盛りあげる取り組みを続けられる体制を作るのは、外部パートナーができない重要な仕事となります。
VTuberと地方創生・地域の活用事例
実際にVTuberを起用した地域活性化の取り組みや、自治体・企業との連携によって生まれた成功事例をご紹介します。
ふるさと納税やご当地キャラクター、オンラインイベントなど、多彩な形で展開されている活用事例から自分たちの地域に活かせるヒントをぜひ探してみてください。
VTuber×ふるさと納税「まちスパチャプロジェクト」

「まちスパチャプロジェクト」は、VTuberと地域の新たな露出機会を創出し、ユーザーが楽しめるコンテンツを通じて自治体の魅力を発信するプロジェクトです。
地域の魅力をVTuberたちが紹介する漫画コンテンツや、限定で取り扱うふるさと納税返礼品、寄附者だけが入手できる地域の魅力溢れるコラボ雑誌など、ふるさと納税を通して地域もVTuberも応援できる新しいコラボのかたちを提案するサービスです。
多くの自治体様とのコラボを通して、観光誘致やふるさと納税の認知拡大などに貢献しています。
地域のお店や観光地とコラボしたオリジナル商品の開発やリアルイベントを実施した実績があります。
▼地元の紅茶展とコラボしたオリジナル茶葉の販売例
(※数量限定品のため現在は販売されておりません)

沖縄ご当地VTuber「根間うい」さん
「根間うい」さんは、沖縄県を拠点に活動するご当地VTuber。
2019年3月にデビューし、沖縄の伝統文化や観光地、料理の紹介などの沖縄の魅力を国内だけでなく世界中に発信しています。
沖縄県公認の観光大使になることを目指して活動しており、沖縄での認知度は「66%」と言われています。(根間うい公式サイトより)
沖縄の人気テレビ番組「Hi-Pu-Hop! ひーぷー☆ホップ」に出演したり、初の冠番組「根間ういのちゅーばーTV」も持っており、YouTubeやSNSにおさまらず広く活動をされています。
沖縄で開催するイベントに出演・アンバサダーを務め、那覇警察署の一日警察署長にも任命されるなど、地域に密着した長期的な活動が高く評価されています。
VTuberがご当地ショップ応援大使に「そらのうえのショッピングモール」の事例
「そらのうえのショッピングモール」は、ベネリックデジタルエンターテインメント株式会社が開催しているメタバース空間上のオンラインショッピングモールです。
「そらのうえのショッピングモール」の3階には各都道府県のアンテナショップが出店されており、ご当地VTuberが「ご当地ショップ応援大使」として観光地やご当地商品の魅力を紹介します。
オンラインショップになっているため、各地のグルメを購入できるとともに、各出店ブースでVTuberたちが地域の「食」以外の地域の魅力を発信や不定期で都道府県に関連したイベントも開催されています。
「地域の魅力」をたくさんの方に知ってもらうべく、オンラインショッピングモール自体は毎日開かれており、いつでも遊びに行くことが可能です。
地方創生に、VTuberという“新しい選択肢”を取り入れませんか
今回はVTuber活用が持つ、地方創生や地域とのコラボレーションの可能性と成功事例をご紹介しました。
地域を元気にしたいという想いは、どの自治体や企業も同じ。
しかし、発信力や人材不足、予算など現場で直面する課題は多く、「打ち手がない」と悩む声も少なくありません。
VTuber活用は、単なる一過性のコラボではなく、持続可能な関係性と効果を生む施策として、新しい一歩を踏み出すチャンスです。
- 地方創生における課題(人材不足・情報発信・企画ノウハウの欠如など)は多岐にわたる
- VTuberはZ世代・α世代との接点づくりに優れており、共感や信頼でつながる
- ご当地VTuberやPR担当型の活用によって、継続的な広報や地域ブランディングが可能に
- 「まちスパチャ」などPRに成功した実例も増えており、費用対効果も期待できる
- コラボの企画自体が、地域住民や若者を巻き込む“共創型”の取り組みに進化している
地方創生やまちおこし、地元の名産品の生かし方について新しい打ち手を模索している行政、地域の観光・広報担当のみなさま、ぜひ株式会社uyetにご相談ください。
より詳細な事例の解説は、ホワイトペーパーにも掲載しておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。