近年市場として伸び続けているVTuber業界ですが、前編ではカバー株式会社の決算書からわかるホロライブの各事業の業績に目を向けながら、VTuberビジネスの変移を見てきました。
本章ではその延長として、なぜ今ホロライブが北米進出に力を入れているのかを中心に話をしながら、VTuber市場の「海外戦略」について解説します。
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第6章|【海外戦略】なぜホロライブは中国ではなく北米を選んだのか?EN展開の合理性と成長の裏側
他業界ではまずは中国・韓国などの日本と文化が近しい国への進出を掲げる中で、なぜカバー株式会社は北米をターゲットにしたのでしょうか。
ここでは、カバー株式会社は北米進出を加速させた理由を解説します。
中国市場ではなく北米を選んだ“ブランドリスク回避”の合理性
VTuberのグローバル展開において、中国は市場規模として魅力的である一方、検閲・炎上リスクが非常に高い市場でもあります。
過去には中国におけるタレントの発言が大規模な炎上を引き起こし、活動停止やチャンネル閉鎖に至った事例も存在します。
この背景を踏まえて、カバー株式会社は2020年代前半以降、中国市場への注力を相対的に縮小し、リスクの少ない英語圏への集中戦略を採用している様子が見受けられます。
北米では言論・文化的寛容性が高く、IPの展開においても「表現の自由」を土台とした安定的な運営が可能です。
この点は、ライブ配信やSNSを基盤とするVTuberビジネスにおいて、運営リスクを最小化できる重要な要素だと言えるでしょう。

YouTubeとECにおける“言語圏一致”の効率性
VTuberビジネスの根幹は、YouTube配信とグッズ販売の接続性にあります。
よって、北米を中心とする英語圏に進出することで、以下のような効率性が発揮されやすいです。
・YouTubeの主要ユーザーが英語圏に集中しているため、プラットフォームとの親和性が高い
・グッズ説明やライブ案内が英語1言語で展開可能なため、越境ECのオペレーションがシンプル
・クレジットカード決済やサブスク課金にも高いリテラシーと成熟した市場がある
グッズ説明やライブ案内が英語1言語で展開可能なため、越境ECのオペレーションがシンプルです。
クレジットカード決済やサブスク課金にも高いリテラシーと成熟した市場があるため、複数言語・ローカル決済対応が必要なアジア圏・新興国市場よりも、短期的なROI(投資対効果)が高い市場構造であると言えます。

ファンの“熱量密度”が高く、ライブ戦略と親和する
IR資料や有価証券報告書では、ホロENに関して以下のような特徴が言及されています。
・ファンの熱量が高く、ライブ参加やグッズ購買行動が活発
・オンライン上のUGC(切り抜き、ファンアート、翻訳など)への貢献度が高い
・SNSやReddit、Discordなどでのコミュニティ運営が自発的に行われている
つまり、北米ファンは「視聴者」以上に“参加者”としての行動傾向が強いことがわかり、「祝祭感」や「熱量の可視化」が収益に直結するVTuberライブ戦略との親和性が非常に高いです。
実際にホロENの北米ライブはすでに複数回の完売を記録しており、会場での現地ファンの声援やSNS投稿が次の消費へと接続される循環が見られます。

北米市場は「参加型IP」の育成に適している
北米におけるIP消費の特徴は、“視聴”よりも“参加”に価値が置かれている点にあります。
このような文化の背景には、以下のような理由があります。
・ファンがストーリーを解釈・拡張し、二次創作を積極的に投稿する
・推しのキャラクターと「共に活動する」ようなメタ的没入を楽しむ
・クラウドファンディングやメンバーシップ支援など、能動的支援行動が一般的
VTuberは、まさにこうした“参加型カルチャー”の最前線に位置する存在であり、北米はその土壌として極めて適しています。
IPを育てて、ファンと共創し、商品として回収していく。この全体設計を行いやすい市場環境が整っています。

まとめ:北米は「リスク管理」と「収益成長」の両立市場だった
中国のような巨大市場に進出するのではなく、北米進出という“慎重な選択”をした理由。それは単なる回避策ではなく、「中長期的なIP資産形成」と「収益の質」を見据えた戦略にありました。
表現の自由、グッズ購買のインフラ、参加型ファン文化。この3点が揃っていたからこそ、ホロENは戦略的に拡大することができました。
次章では、こうした展開の次のステージとして注目される「ライブ」「音ゲー」「ホロアース」という新たな収益柱候補たちがどこまで成長しているのかを検証します。
第7章|【次の収益柱】ライブ・音ゲー・ホロアース──ホロライブが育てる新たなマネタイズ領域とは
北米展開と並行して、カバー社はライブ・ゲーム・メタバースといった「次の収益柱」の育成にも注力しています。
3Dライブ・音ゲー・ホロアースに成長投資が集中
カバー株式会社は、VTuberのマネタイズモデルを「配信・物販・ライブ・ライセンス」の4本柱に加え、次なる事業成長のための重点領域として以下の3つに注力しています。
・3Dライブ(リアル×デジタルのハイブリッド収益)
・音楽ゲーム(モバイルアプリでの継続接触)
・ホロアース(メタバース型の体験型プラットフォーム)
これらは2025年3月期の決算説明および有価証券報告書内でも複数回言及されており、いずれも「収益性」と「ファン体験価値」の両面を担うポテンシャル事業として位置付けられています。

3Dライブは「マルチモーダル収益モデル」として成立し始めた
従来のVTuberライブは、配信による視聴体験に収益が限定されていました。
しかし、現在の3Dライブは以下の複合収益構造になっています。
・現地参加によるチケット収入
・配信プラットフォームでの有料視聴
・現地・オンライン連動のグッズ販売
・映像コンテンツの後日販売(Blu-ray等)
このように3Dライブでは“一度のライブで複数の収益チャンネルが稼働する”設計が確立されつつあり、事業としてのスケーラビリティが飛躍的に向上しています。
また武道館やKアリーナなどの大型会場開催を実現できるブランド力と動員力が備わっており、他社では再現が難しい収益構造の確立が進んでいます。
音ゲーは“日常接触型コンテンツ”としての役割を担う
VTuberコンテンツの最大の課題は、ライブや配信が「イベント化」しがちなことによる接触頻度の低さだと言われています。
これに対して、音楽ゲームというフォーマットは“毎日触れるきっかけ”を提供してくれます。
カバー株式会社が提供する音ゲーアプリ(※タイトルは現時点で非公表)は、以下の特徴を持つとされています。
・ホロライブタレントの楽曲・ボイスを活用した“推し活”設計
・ログインボーナス・デイリーミッションによる接触の常態化
・課金・無課金の双方で継続利用が可能なユーザー設計
このように「日常生活にVTuberを溶け込ませる」接点として音ゲーは機能し始めており、広告収益に依存しない独立したマネタイズが可能な領域でもあります。
ホロアースは“ファン参加型”の体験を拡張する空間
ホロアースは、ホロライブのIPを用いたメタバース型プラットフォームです。現時点ではオープンβ段階ながら、以下の特徴が確認されています:
・常設ロビー空間でのアバター参加
・コンサート型コンテンツ「プロトライブ」の実施
・ファン同士のリアルタイム交流
・今後、グッズ購入や外部IP連携も視野に入れた開発方針

ここでの収益はまだ限定的ですが、「グッズ」「イベント」「コミュニティ参加」など複数のファン行動を内包できる場としてのポテンシャルが非常に大きいです。
他社のメタバース事業がユーザー定着に苦戦する中で、カバー社は自社でIPを保有し、かつ日常的にユーザーとの接点を築いているという強みがあります。
そのため、“使われる前提があるメタバース”を設計できる稀有な立ち位置にいます。
<補足>3領域の共通点は「没入体験」と「階層化された接点」
ライブ・音ゲー・ホロアースという一見異なる3領域ですが、事業上の本質は共通しています。
項目 | 共通する構造的特徴 |
接点密度 | 繰り返し触れる機会を増やす構造 (例:毎日ログイン、定期ライブ) |
収益モデル | 課金・グッズ・広告・視聴と複数の収益源が共存 |
IP活用 | キャラクター・ストーリー・音楽・世界観を立体的に展開 |
没入体験 | 視聴にとどまらず、「参加」や「共創」が設計に組み込まれている |
このように、どの事業領域でも「一方向の視聴者」ではなく「参加者としてのファン体験」を軸に収益構造が構築されています。
まとめ:VTuberは“日常の一部”になろうとしている
カバー株式会社は、“日常における接点密度”を重視した事業展開を進めています。
3Dライブで“祝祭”を共有し、音ゲーで“日常”に触れ、ホロアースで“共にいる感覚”を持つ。このような多層的な体験が設計されているからこそ、ファンは一過性のコンテンツ消費ではなく、関係性そのものを継続的に楽しむことができます。
次章では、このような戦略の帰結として避けて通れないテーマである「タレント依存」問題をいかに超えているのか?について考察していきます。
第8章|【リスク分析】“タレント依存”は超えられたのか?VTuberビジネスの持続性を支える仕組み
次に、VTuber事業の構造的な課題である“タレント依存”に対して、、カバー株式会社はどのような仕組みでタレント依存を打破しているのかを解説します。
VTuber事業は“演者の存在”に大きく依存する構造を持つ
VTuberというビジネスは、本質的に「演者=タレント」によるライブ配信活動を軸に成立しています。
演者が活動を継続している限り、ファンとの接点や収益は維持されますが、卒業・引退などがあれば即座に「IP停止」になるという不安定性があります。
これはアイドル業界やYouTuberビジネスと共通する構造リスクでもあり、“タレント依存”モデルの限界としてたびたび指摘されてきました。
実際、過去には人気タレントの卒業によりファン離脱や売上減が生じる例も見られ、VTuberビジネス全体が“演者起点”に過度に依存しているのではないかという懸念も根強いです。

卒業リスクへの備えは“運用レベル”から始まっている
こうしたリスクに対して、カバー株式会社は明文化された「タレントガイドライン」の策定や卒業に際するストーリー設計・グッズ展開などを通じて、ファンとの関係性を丁寧に維持・転換する体制を整えてきました。
たとえば、
・卒業を「終わり」ではなく「区切り」として演出
・卒業記念配信・記念グッズ・ファンレター施策などを実施
・SNSアカウントやアーカイブを一定期間残すなど、“ファンの心理的整理”を支援する運用が徹底されている
このような対応はVTuberならではの双方向性を尊重しながら、リスクを“文化化”していく取り組みとして機能しています。

“個”ではなく“物語”を追う構造の構築
カバー株式会社は、また個別のタレント人気に依存するのではなく、「ホロライブ」という“世界観全体”にファンを巻き込む構造を強めています。
具体的には、
・グループ内のコラボ配信・イベント・番組企画の強化
・ユニットや期別の横断展開(例:ホロライブ3期生ライブなど)
・世界観を補完するアニメ・音楽・ホロアースといった多メディア展開
これにより、ファンは特定のタレントに加えて「グループ全体」や「推しユニット」に愛着を持つようになり、“個が去っても残る文脈”が形成されるようになりました。
この構造は、従来のタレントビジネスでは成立しづらかった「ブランドとしての継続性」を高めていると言えます。

卒業後も“IPとして生き続ける”モデルの可能性
一部のVTuberでは、卒業後もアーカイブが残され、ファンアートや切り抜き動画などUGCによる“追体験消費”が続いています。
これはアニメキャラクターや漫画作品と同様、「リアルタイムの活動が終わってもIPとして価値が継続する」という新しい消費モデルの兆しでもあります。
たとえば、ホロライブ卒業タレントの中でも、誕生日やデビュー記念日には今なおSNS上で“#〇〇誕生日”といったハッシュタグがトレンド入りするなど、“記憶資産”としてIPが生きていることが確認されております。
このように、演者が離脱してもファンの中に“残り続ける世界観”がある限り、IPは「稼働しなくても消えない存在」へと昇華していく可能性を持っています。
<補足>タレント供給の“量的飽和”への認識
一方で、VTuber業界全体としては新規タレントの過剰供給による“飽和感”も指摘されています。
市場にはすでに多数の個人・企業所属のVTuberが存在し、新人のデビューが話題化されにくくなっているという現状もあります。
この点について、カバー株式会社は「ホロライブオーディション」の基準厳格化や選抜型プロデュース体制の強化によって、IP価値の希少性を維持しています。
同時に「EN」「ID」など地域軸を分けた展開を続けることで、国内飽和リスクをグローバルで分散する設計になっています。

まとめ:タレント“だけ”で回さない構造への移行が進んでいる
VTuber事業の本質的な魅力は、人が演じていることやIPとして物語が続くことにあります。
その一方で、タレント個人に依存しすぎると供給過多・卒業リスク・不在ロスといった課題が顕在化します。
カバー株式会社は、演者・運営・IPの3層構造を整理しながら、
・ファンが「個」を超えて「世界」を好きになる設計
・卒業も含めて“作品の一部”とする演出
・タレント供給を“選抜制”にしてブランド価値を保つ
といった手法により、タレント依存から脱却してIP中心の持続可能なビジネスモデルへの移行を進めています。
次章ではこの構造が今後さらに広がるのか、また“国内飽和”を超えて、VTuberはどこへ拡張していけるのか?を考察していこうとお思います。
第9章|【市場展望】VTuber業界はまだ広がるのか?国内飽和と新たな市場への展開可能性
国内飽和しつつあるVTuber市場ですが、今後どこに成長余地を見出しているのかを解説します。
国内VTuber市場は認知段階を超えた
カバー株式会社が提出した有価証券報告書によると、VTuber業界は2023年度時点で国内市場規模が約800億円に達し、2020年度からの年平均成長率(CAGR)は77%にのぼるとされています。
この成長は単にVTuberそのものの認知が広がっただけでなく、グッズ・イベント・タイアップなどの収益化手段が多様化したことによるものと位置付けられています。
つまりVTuberは「バズっている存在」ではなく、「既に一般に浸透したカテゴリ」として市場に定着しつつあります。

国内市場は「需要」より「供給」が飽和している
現在の日本国内においては、VTuberの数が急増し、YouTube上では多数の新人デビューが日常的に行われています。
しかし、ファンの可処分時間や可処分熱量には限界があるため、ファンに「見てもらえないVTuber」が確実に増えており、この構造は、TVアニメや音楽のように“コンテンツの供給量が視聴時間を上回る現象”と類似していると言えます。
つまり、VTuber業界の課題は“視聴者の拡大”ではなく、「ファンの関心をどう継続的に惹きつけるか」「どの層に向けて出すか」という“選ばれる存在”への戦略転換にあると言えるでしょう。
「分散型」の展開が活路を生む
その中でカバー株式会社をはじめとする主要プレイヤーは、“分散型展開”を進めています。
地域分散:BtoB・自治体との連携
- 地方自治体や地域企業とのコラボレーションによる「地域振興×VTuber」施策が拡大
- 地方の物産展、ふるさと納税返礼品、観光PRなど、VTuberの“説明力・共感力”を活かした活用例が増加
このようなローカル領域は大都市圏の飽和とは異なる需要があり、ファンの接点を“都市部以外”に広げる構造を生み出しています。

内容分散:ユースケースの多様化
- 教育、スポーツ、行政、SDGs啓発など、“エンタメ以外”の文脈での起用が進む
- VTuberがメディアや企業のナビゲーター役を務め、ファン以外にも“必要とされる存在”へ
このような展開により、VTuberは“推されるだけの存在”から“伝える力を持つメディア”として再評価されつつあります。

グローバル・ローカルの両軸での拡張可能性
国内飽和の一方で、海外展開はまだ“未開拓”と呼べる領域が多いです。
英語圏に続き、アジア・欧州・南米などへの展開が期待されており、既に以下のような兆しが出てきています。
・フィリピン・インドネシアではVTuber配信文化が若年層に広がりつつある
・欧州では“音楽・アート的感性”との親和性を活かした展開が模索中
・多言語字幕・AI翻訳などの技術的支援により、“言語の壁”を乗り越える仕組みが現実化しつつある
カバー株式会社も実際にEN(英語圏)・ID(インドネシア)に続き、今後は“第3のローカル展開”を準備していると見られており、業界全体としてはグローバル×ローカルの多軸展開が今後の成長余地として残されています。

まとめ:VTuberは「新しさ」で広がるのではなく、「機能性」で拡張していく
かつてVTuberは「新しいから注目される」存在でした。しかし現在業界が問われているのは、“何の役に立つのか?”という社会的な機能性の証明です。
エンタメを超えて教育・行政・地域経済と接続し、“共感で動かす伝達手段”としてVTuberが活用される局面が確実に増えてきている中で、業界としての拡張余地は「バズ」ではなく「使い道」の広がりにこそある。
次章では、このような機能的価値を生かした結果、VTuberビジネスがIPとしてどこまでスケールし得るのか。“IPの扱い方次第で、カルチャーは事業になる”という命題について総括します。
第10章|結論:【結論】IPの扱い方次第で、カルチャーは“再現可能な事業”になる──ホロライブが示したこと
カバー株式会社の事例を通じて、VTuber事業がどのように持続可能な事業モデルへと進化したのかを解説します。
カルチャーから事業へ─VTuberビジネスが示した証明
かつて「VTuber」は“一過性のネットカルチャー”と見なされていました。
リアルタイム性に依存し、個人の人気やバズに頼る不安定なモデル、そう捉えられていた時期も確かにありました。
しかし、カバー社の成長はその認識を大きく塗り替え、VTuberというカルチャーをIPとして設計し直し、持続可能な事業へと昇華させていきました。
収益の柱がIPと構造に支えられている
2025年3月期のカバー株式会社は、配信だけでなく、物販やイベント、ライセンス、さらにはゲーム・メタバースに至るまで、多層的に収益基盤を構築しました。
・売上は434億円、前年比+43.9%
・物販事業は前年比+64.6%で主力へ
・イベントは過去最大動員と収益を記録
・北米展開やホロアースなど、新領域にも着手
この成長は偶然ではなく、戦略的に“IPを中心に置いた事業設計”を行ってきたことの成果です。
“好き”をどう事業に変えるかは「設計」で決まる
VTuberという領域は、「推される」「応援される」という感情的価値からスタートしました。
しかし、それを収益に結びつけて、事業として継続可能にするためには以下の設計が必要でした。
・ファン行動を支える多層的な導線設計(D2C、ライブ、音ゲー、EC)
・キャラクター“個”に依存しない世界観の構築(卒業後も続く物語)
・参加・共創を前提とした体験設計(メタバース、ファンUGC)
このように「好き」の熱量を“持続的な行動”に変える仕組みこそがIPビジネスに必要な骨格であり、それをVTuberは明確に体現しつつあります。
再現可能性がある、だから企業も参入できる
カバー株式会社の事業モデルが注目される理由は、ヒットだけでなく“再現性”にあります。
・タレント発掘 → キャラクター設計 → ファン育成 → 商品
・体験への転換 海外展開や新領域への拡張
・オンラインとリアルを循環させる設計
これは特定のタレントや偶発的ヒットに依存しない、“企業が投資・運用できるIPモデル”として成立しているということです。
VTuberは検討すべき選択肢である
VTuberビジネスはもはや「ネット文化の流行」ではなく、「IPベースでマネタイズとスケールを両立する新時代の事業」として成立しつつあります。
アニメでも音楽でもゲームでも、企業・自治体のPRでも、IPをどう扱うか次第でカルチャーは“事業”になり得る。
そして今、VTuberはその最前線に立っています。
次に問われるのは「自社はどう活かすか」だ
VTuber業界が成熟する今、次に問われるのは「このモデルを自社にどう取り入れるのか」という視点です。
・自社商品をVTuberの体験にどう組み込めるか?
・ファン参加型の文脈で何を生み出せるか?
・キャラクターではなく“関係性”をどう育てるか?
こうした視点があれば、VTuberはもはやエンタメ業界の話ではありません。誰もが扱える「事業の道具」としてのIP設計論がここにはあると言えるでしょう。