「副業でVTuberを始めたい!」「でも、始める前に開業届って出すの?」
「収益が出たら確定申告しなくちゃいけない?」
本業をやりながらVTuberやってみたい。でも、収入ができたときにどうしたらいいかわからないことが多くて、一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
今回は、VTuber業界で多くの個人勢・事務所と連携している株式会社uyetが副業でVTuberを始めるなら知っておきたい、お金や手続きのノウハウを網羅的に解説します。
「たくさん稼げたと思ったら、気づいたら脱税していた…。」
そんな状態にならないためにも、ぜひ知識として記事を
専業VTuberとは?専業/兼業ならではのメリット・デメリット
VTuber市場の拡大とともに、VTuberとして新規参入する方の数も爆発的に増えています。
本業を抱えながらもVTuber活動を始めたい方のために、専業と専業の違いや専業のメリット・デメリットについて解説します。
専業と専業の最も大きな違いは「主な収入源」です。配信活動の収入のみで生計を立てているVTuberの方は「専業」、本業の収益で主に生計を立てて、VTuber活動を副業としているVTuberの方は「兼業」と呼ばれることが多いです。
本業と並行して副業として配信する「兼業VTuber」
本業(会社員・学生)を持ちながら配信活動も行うVTuber。1日1〜3時間程度の配信時間に留まることが多い。
全体の9割以上が副業での活動。
配信活動一本に専念「専業VTuber」
配信活動を主な収入源とし、生計を立てているVTuber。1日6〜8時間を活動に費やすケースが多い。
専業 VTuberは全体の1割未満。
副業だからこその強み!自分の体験でコンテンツに深みが生まれる
VTuber文化が多様化する中、兼業VTuberの価値も見直されつつあります。
専業で食べていけないから兼業なのではなく、あえてVTuber活動を副業として選択するという新しいキャリア。副業でVTuber活動を行うメリットをいくつか紹介します。
本業の経験が配信にも活きやすい
兼業VTuberは、本業で活動して得た知識、実績、経験をVTuberとしての活動に反映させていくことで、一般的なVTuberとの差別化を図ることができるため、USP(ユニーク・セリング・プロポジション)を獲得しやすい状況にあります。
USPとは「自社だけが持つ製品の強み」のことを指し、つまりここでいう「VTuberとして活動していく上での自分自身の強み」のことを指します。
ファンや市場から需要があり、自分しか出すことのできない魅力を磨き上げ続けることによって、市場での勢力を上げていこうという考え方です。
収入源が別にあるので継続して投資できる
VTuberとして活動を続けるには、機材やソフトウェア、クリエイティブ周りなどへの投資が欠かせません。
兼業VTuberは本業の収入があることで安定的に投資資金を確保できるため、投資し続ける力が専業VTuberよりも強くなります。
副業は時間的な制約や収入が上がった際の法的リスクに注意!
副業が大きなメリットになる反面、デメリットも存在します。デメリットも踏まえた上で、事前に対策を立てておきましょう。
本業との兼ね合いで時間的制約が発生する
本業があるからこその副業ですので、物理的に本業にリソースを割く時間は発生します。専業VTuberと比較して、時間的制約があるのが兼業VTuberです。
専業よりも投資資金を捻出しやすい状態にありますので、自分が動けない時間は外注に動いてもらうという手もあります。
気付かないうちに脱税などの法的リスクがある
税務や会計周りの知識が乏しいと、税金面で損をする可能性があるだけでなく、気付かないうちに脱税してしまっているリスクも存在します。
どのような申請手続きが必要になるのか、要点だけでも抑えておきましょう。
副業としての経験を配信に活かしているVTuber
本業がありつつ、本業での活動・実績をVTuber活動に活かしているVTuberを紹介します。
古知累すすむさん

本業はなんとトロント大学の研究員!大学の恐竜研究者として活動されています。発掘した化石が親属新種であったことを論文として発表したところ、世界的権威のあるNature誌に取り上げられ話題になりました。
恐竜の面白さを楽しく、分かりやすく、マニアックに世間へと広めるべく活動をされているとのことで、本業の実績とVTuberの拡散性が相乗効果を生んでいます。
YouTubeチャンネル:古知累すすむ【世界一わかりやすい恐竜研究】
職場:カナダのトロント大学の研究員
▼古知累すすむさんの強み
- 恐竜研究者
- 世界的権威のある専門誌「Nature」に論文が掲載される
- 最古の頭突き恐竜を発見し命名
事務所所属の場合は「副業」や「兼業」は禁止?
大手のVTuber事務所はサポート体制が充実していますが、配信活動に求められるレベルが高水準であるため、必然的に専業にならざるを得ない場合があります。
一方、大手ほどのサポートを受けなくてもある程度は自分の力で活動できるということであれば、サポート体制が比較的薄めの事務所を選択することも検討できます。
副業で始めるならまずは「個人VTuber」
大手のVTuber事務所の間口は非常に狭いため、現実を踏まえて検討した結果、まずは個人勢として活動を開始される方も多くいらっしゃいます。事務所のサポートは受けられませんが、収益化した際に最もメリットがあるのが個人での活動です。
本格的に活動を始めるためには、キャラクターデザインやLive2D、3Dモデルの制作、機材、プロモーションなどを全て自身で準備しなくてはいけません。一方、収益化できた際には全ての報酬が自分のものになります。
また、活動の制約等も発生しないため、自由な配信を行いたい方には個人がおすすめです。
副業歓迎のVTuber事務所もある
個人勢での活動開始が難しい場合やサポート受けながら活動を行いたい場合は、副業・兼業OKのVTuber事務所への所属や比較的制約が少ないVライバー事務所への所属も検討することがおすすめです。
副業・兼業OKのVTuber事務所に所属する
事務所の中には副業・兼業OKのところもありますので、事前に副業であることを伝えた上で所属することも可能です。
しかし、専業と比較して活動できる時間が制限されてしまうのが副業。事務所側も投資対効果を意識する必要がありますので、専業VTuberと比較して収益が伸び悩むようであれば、サポートも通常よりも薄くなってしまうことを念頭に置いておいてください。
Vライバー事務所に所属する
YouTubeは収益化まである程度の時間がかかりますので、まずはVライバーとして活動することもおすすめです。VライバーはVTuber以上に副業・兼業が多いため、事務所側も副業前提での募集を行っています。
Vライバーとして配信実績をつくった上でVTuberにステップアップする道もありますので、キャリアプランの一つとして検討してみてください。
にじさんじなどの大手でも副業でVTuberをやっていた人はいる
にじさんじなど大手のVTuber事務所でも、副業・兼業を公言しているメンバーは存在します。ここでは先日にじさんじから卒業されたグウェル・オス・ガールさんを紹介します。
グウェル・オス・ガールさん
グウェル・オス・ガールさんは、2019年11月28日にデビューしたVTuberです。ゲーム配信がメインであるほか、独自性の高い企画を行うことでも知られています。
彼はVTuberとしての活動以外に、会社員との兼業を行っていることを公言しています。にじさんじでの活動中にも、兼業されていた職場からの退職・再就職などの報告を行っています。
ただし、兼業されていた会社からの退職理由は「体調を崩した妻の看護と育児、VTuber活動の並行に限界が生じた」とのことですので、会社員としても勤務しながら配信活動を行うことは、非常にハードであったことが伺えます。
副業でVTuberを始める際に知っておくべき4つの手続き
副業でVTuberを始める場合にも、疎かにしてはいけないのが国への申請・手続きです。
とくに会社員など本業で十分な収入があり、副業だからと甘く見ていると、数年後にまとめて追徴課税なんてこともあり得ます。
以下4つの項目は適切なタイミングで必ず行うようにしましょう。
配信活動を行うならまずは開業届の提出を!
VTuberとして収益を得る場合、その収入は「事業所得」として扱われるため、税務署への開業届提出が原則必須です。また副業でも本格的に活動を続けるなら、早めに提出しておくのが安心です。
提出していないと、青色申告による節税(最大65万円控除)が使えなかったり、無申告を疑われるリスクがあります。開業届を出しておけば事業としての信用が得られ、口座開設や契約の場面でもスムーズ。
VTuber活動を“仕事”として進めるための第一歩です。
毎月の経理業務をサボると後々響く…
毎月の経理作業を習慣化することが、安定した活動の鍵です。収入・経費の記帳、請求書の発行、支払い確認、領収書整理を月末にまとめて行いましょう。
これを怠ると、領収書を紛失したり、経費漏れで税負担が増えるリスクもあります。確定申告前に慌てることがないよう、月1回の「経理日」を設けて小まめに管理するのがおすすめです。
とはいえ、簿記の知識が無かったりいきなり自分で会計業務をするのはとても大変…。兼業や副業で簡単に確定申告に備えたいと言う方はスマホで確定申告ができるアプリ「タックスナップ」などの利用もオススメです。

また青色申告や年末調整を会社に任せない場合は、個人事業主の方がよく使う「freee」や「マネーフォワード」などもオススメです。
税金を抑えたい方へ!経費として計上できるものは何?
VTuber活動にかかる費用は幅広く、配信用PCやマイク、ネット通信費、Live2Dモデル制作や外注費などが経費になります。事業に必要であると説明できる範囲がポイントです。
ただし、私的利用まで経費に含めると否認される可能性もあるため、領収書と用途メモを残しておくことが大切です。正しい経費計上が節税と信頼につながります。
年に一回の「確定申告」が一番大事!
年間の所得(収入−経費)が20万円を超えると確定申告が必要です。副業でも同様で、申告を怠ると延滞税や無申告加算税の対象になることがあります。
日頃から収支を整理しておけばスムーズに申告でき、青色申告などの節税制度も活用可能。20万円を超えるかどうかに関わらず、経理を整えておくことが大切です。
申請を怠った場合のリスクについて
申請を怠ったり、経費処理を誤ってしまうとどうなるの?ここでは実例をもとに解説します。
ケース1:経費処理の誤りで否認、追徴課税に…
ある個人VTuberの事例では、活動に必要なPCやマイク、動画編集の外注費などを経費として計上していました。しかしその中に、私用のスマホ代やプライベートな外食費まで含めていたことが問題となり、税務署の調査で指摘を受けました。結果として、私的利用分は経費として認められず、修正申告と追徴課税を課される事態となりました。
VTuber活動は自宅での作業が中心となるため、仕事と生活の境界があいまいになりやすいのが特徴です。とはいえ、「家事按分」を無視して通信費や家賃などを全額経費にしてしまうと、「不適切な経費計上」と判断されるリスクがあります。今回のケースでも、明らかに事業と関係のない支出を経費扱いにしていた点が問題視されました。
事業に関係する支出と私的な支出は、必ず明確に区分して管理することが重要です。インターネット回線やスマホなどの兼用費用については、仕事に使用している割合を算出して按分し、その根拠を記録として残しておくことが安全策となります。正確な区分と記録を心がけることで、トラブルを防ぎ、安心して活動を続けることができます。
ケース2:女性ライバー、1.2億円を無申告し2100万円の追徴課税
ある女性ライバーは、配信アプリで投げ銭やギフトを受け取り、4年間で約1.2億円という多額の収入を得ていました。しかし、一度も確定申告を行っておらず、税務署の抜き打ち調査によって全てが発覚。最終的に、無申告加算税や延滞税などを含め、約2,100万円の追徴課税を課されることになりました。本人は「忙しくて忘れていた」と説明しましたが、当然ながらそのような理由は認められませんでした。
近年では、個人でもVTuberや配信活動を通じて高額な収入を得られるようになったことから、税務署はネット収入を重点的に監視しています。このケースでは、収益が大きいにもかかわらず確定申告を怠ったことが、最も重い問題でした。
収入が増えれば増えるほど、税務当局のチェックは厳しくなります。無申告は必ず発覚し、結果的に大きな損失を招くリスクがあります。日頃から収支を正確に記録し、期限内にきちんと申告を行うことが、自分の活動を守る最善の方法です。
会社に副業でVTuber活動をやっていることがバレる理由
副業禁止の会社に勤めながらVTuber活動で収益を得ていたら、会社に「副業」がバレてしまった…
副業禁止の会社で働いている場合、副業としてVTuber活動で収益を得ることが非常によくないことです。
些細な気持ちで始めたVTuber活動が会社にバレる理由をここで解説します。
バレる理由の多くは「住民税」の額面
会社に副業がバレる主な原因の一つとして挙げられるのが「住民税」です。
住民税は前年の所得に基づいて計算され、翌年に納付する地方税です。会社員の場合、通常は会社が給与から天引きして納付する「特別徴収」という形で徴収されます。この特別徴収の仕組みが、副業バレのリスクにつながる可能性があります。
配信活動で得た所得が増えると、当然ながら住民税の額も増加します。
会社が把握している給与所得に対する住民税額と、実際に会社が納付する住民税額に大きな差が生じた場合、会社の経理担当者が「なぜこの従業員の住民税だけ高いのだろう?」と疑問に感じ、副業が発覚するきっかけとなることがあります。
まずは副業の相談を!事前に申請が必要な場合も
あなたの会社に副業OKの規定がある場合は、事前に会社に申請や相談をしておくことをおすすめします。副業OKだからといって無断で始めるのではなく、適切な手続きを踏むことで、後々のトラブルを未然に防くことができます。
事前に申請や相談をしておくことで、以下のようなメリットが得られます。
- トラブルの回避: 副業に関するルールを明確にし、会社からの誤解や不信感を避けることができます。
- 信頼関係の構築: 会社に対して誠実な姿勢を示すことで、信頼関係を深めることができます。
- 安心して活動できる: 会社にバレる心配なく、堂々と活動に専念できます。
- 万が一の際のサポート: 予期せぬ問題が発生した場合でも、会社に相談しやすくなります。
申請や相談の際には、VTuber活動が本業の業務に支障をきたさないことや会社の情報漏洩リスクがないこと、活動内容が会社の信用を損ねるものではないことを明確に伝えるようにしましょう。
また、匿名での活動であることや、個人情報管理の徹底についても説明することで、会社側の理解を得やすくなるはずです。
副業禁止の会社や公務員でVTuberをやったらどうなる?
副業としてVTuber活動を検討している方の中には、会社や公務員としての立場から「副業禁止規定に抵触しないか」と不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。多くの企業では、就業規則に副業禁止の規定を設けています。
多くの企業が従業員が副業に時間を取られ本業がおろそかになることや情報漏洩のリスク、企業の信用を損なう行為を防ぐために行なっています。副業禁止規定がある会社でVTuber活動を行った場合、どのような事態が起こりうるのかを見ていきましょう。
就業規則違反リスクと処分の種類
就業規則で副業が禁止されているにもかかわらずVTuber活動を行い、それが会社に発覚した場合は就業規則違反として懲戒処分の対象となる可能性があります。
処分の内容は、VTuber活動の規模、収益の有無、本業への影響度などによって異なりますが、一般的には以下の段階が考えられます。
- 注意・始末書:軽微な違反の場合に口頭または書面で注意を受け、再発防止を求める。
- 減給:給与の一部が一定期間減額される。
- 降格・降職:役職や職位が下がり、それに伴い給与も減少する。
- 諭旨解雇:会社から退職を勧告され、拒否すると懲戒解雇となる。
- 懲戒解雇:最も重い処分で、即座に雇用契約が解除される。
退職金が支払われない、または減額される場合が多い。
特に、配信活動によって会社の信用を著しく損ねた場合や、本業に重大な支障をきたしたと判断された場合は、懲戒解雇に至る可能性もあります。
リスクを避けるためにも、ご自身の会社の就業規則を改めて確認し、副業に関する規定を正確に把握することが重要です。
同僚・知人経由で会社に副業がバレる場合も…
住民税など、上記で触れた内容以外にも、「同僚・知人からの密告」などが発生するケースもあります。
活動が活発になり、知名度が上がると、知人や同僚が偶然あなたのVTuberとしての姿を目にする可能性も高まります。嫉妬や不満から会社に情報が提供されることもありえます。
VTuberの性質上、声だけで判別される可能性は比較的低いですが。十分に注意しましょう。
公務員がVTuber活動をしたらどうなる?
公務員は、国家公務員法や地方公務員法によって副業が厳しく制限されています。これは、公務員が職務に専念し、国民全体の奉仕者として公正かつ中立な立場を保つことを目的としているためです。
公務員の副業規制
公務員は、原則として営利を目的とした兼業(副業)が禁止されています。具体的には、以下の3つの義務が関係してきます。
| ・職務専念義務(国家公務員法第101条、地方公務員法第35条) 職務時間中は職務に専念しなければならない義務。VTuber活動が本業の勤務時間と重なったり、疲労によって本業に支障が出たりする場合に抵触します。 |
| ・信用失墜行為の禁止(国家公務員法第99条、地方公務員法第33条) 公務員としての信用を傷つける行為をしてはならない義務。VTuber活動の内容が公務員の信用を損ねるようなものであった場合、この義務に違反します。 |
| ・営利企業への従事等の制限(国家公務員法第103条、地方公務員法第38条) 営利企業を営むことや、報酬を得て兼業することが原則として禁止されています。VTuber活動で収益を得る場合、この規定に直接抵触します。 |
活動の中で広告収入やスーパーチャット、グッズ販売などによって継続的に収益を得る場合、「営利目的の兼業」とみなされ、上記の法律に違反する可能性が極めて高くなります。
匿名での活動であっても万が一身元が特定されれば、公務員としての立場を失うことにも繋がりかねません。
発覚した場合の処分は「重い」
公務員が副業禁止規定に違反して活動を行い、それが発覚した場合、国家公務員法や地方公務員法に基づく懲戒処分の対象となります。
処分の種類は、違反の程度や公務員としての職責、与えた影響の大きさによって異なりますが、戒告、減給、停職、そして最も重い免職(解雇)に至る可能性もあります。
一部の例外として、不動産賃貸や農業など、特定の条件を満たし、所属長の許可を得た上で可能な副業も存在しますが、VTuber活動はこれらの例外規定に該当することはほとんどありません。
そのため、公務員が営利目的でVTuber活動を行うことは、法的なリスクが非常に高く、現実的には極めて困難であると言えます。公務員の方がVTuber活動に興味がある場合は、収益化を伴わない純粋な趣味の範囲に留めるなど、慎重な検討が必要です。
副業から専業への切り替え時やタイミングについて
副業VTuberとして活動する中で、専業への切り替えを検討する際に最も重要な指標の一つが「収入の安定性」です。
単発的な高額収益ではなく、継続的に生活費を賄えるだけの収入が見込めるかどうかが判断軸となります。
専業への切り替えは月20万円~30万円が目安
一般的に、生活費として月20万円~30万円程度を確保できることが最低ラインと考えられます。これに加え、目安となる収益が最低でも半年以上は継続している状態が理想です。
VTuberとしての報酬の種類は、以下に大別されます。
- 計画的で単発報酬
- 計画的で継続報酬
- 偶発的で単発報酬
- 偶発的で継続報酬
VTuberとしての収益源を報酬の種類別に分けると、以下のようになります。
- 投げ銭(計画的な単発収入)
- グッズ販売(計画的な単発収入)
- 企業案件(偶発的な単発収入)
- 広告収益(偶発的な単発収入)
- 広告収益やメンバーシップ収益など(計画的&偶発的な継続収入)
継続収益と単発収益を組み合わせて、安定した収益を確保し続けることが重要です。
どんなタイミングならスムーズに専業になれるか
収入面での目安がクリアできたとしても、スムーズに専業VTuberへ移行するためには、整えるべき項目が存在します。
●貯蓄が十分にあるか
専業に移行した直後は、収入が一時的に不安定になる可能性があります。最低でも3ヶ月〜6ヶ月分の生活費を賄えるだけの貯蓄を準備しましょう。
●スキルと実績が十分に確立されているか
専業VTuberとして活躍するためには、企画力やトークスキル、動画編集能力、マーケティング能力など、多岐にわたるスキルが必要です。副業期間中にこれらのスキルを磨き、安定した視聴者数や収益を生み出す実績を積み重ねておくことが重要です。
●強固なファンコミュニティがあるか
専業化はファンとの関係性がより密接になります。熱心なファン層が確立されており、コミュニティが活発であればメンバーシップやグッズ販売などで安定した収益源に繋がりやすくなります。
●明確な事業計画と目標があるか
専業になるということは、自身が「事業主」になることを意味します。どのようなコンテンツを提供し、どのような目標を達成するのか、具体的な事業計画を立てておくことが重要です。
●現在の会社との退職交渉がスムーズに行えるか
現在の会社を円満に退職することも、専業移行をスムーズにする上で大切な要素です。会社の就業規則を確認し、適切な時期に退職の意思を伝え、引き継ぎを丁寧に行うことで、トラブルなく次のステージへ進むことができます。
節税のコツとして知っておくと得する8つのポイント
最後に、知っておくと少しだけ得をする節税のポイントを紹介します。
青色申告特別控除
青色申告を選択すると、「青色申告特別控除」という大きな節税メリットが得られます。
正しく帳簿をつけて申告すれば、最大65万円を所得から差し引ける制度です。たとえば年間所得が300万円なら、課税対象は235万円まで減り、税金を大幅に抑えられます。
控除額は申告方法によって異なり、電子申告(e-Tax)や電子帳簿保存を行う場合は65万円、簡易帳簿の場合は最大10万円が上限です。
青色申告をしたい場合は申請は確定申告をする年の3月15日まで、または開業から2か月以内に税務署へ提出が必要なので、活動を始めたら早めに準備しておきましょう。
注意点としては、青色申告は副業などの雑所得のみの申請はできないこともあるので、心配な場合は事前にお近くの税務署に相談にいくのもオススメです。
兼用費用の按分(あんぶん)
自宅で活動するVTuberにとって、インターネット回線やスマホ、パソコンなどの支出は「仕事にも私生活にも使う」ケースが多く見られます。こうした兼用費用は、仕事で使う割合を算出して経費に計上することができます。
たとえば年間12万円の光回線を仕事で半分利用しているなら、6万円を経費として計上できます。
使用割合は自己判断でも構いませんが、根拠を説明できるように記録を残しておくことが大切です。作業時間や通信量など、自分なりの基準を決めておけば、税務署から質問を受けた際にもスムーズに説明できますよ。
初年度は白色申告もあり
開業したばかりの頃は、帳簿づけや会計知識が十分でない人も多いでしょう。その場合、無理に青色申告を選ばず、初年度は「白色申告」でスタートするのも一つの方法です。
白色申告は、複雑な会計処理が不要でシンプルな形式で申告できるため、初めての確定申告に向いています。
もちろん青色申告のような節税メリットはありませんが、まずは収入と経費を記録し、確定申告の流れをつかむことが大切です。翌年以降、会計ソフトや帳簿管理の体制が整ってから青色申告へ切り替えるとスムーズです。
仕事に関連すれば「勉強代」も経費に
動画編集ソフトの講座や配信機材のセミナー、関連書籍など、VTuber活動に関係する学習や情報収集にかかった費用も経費として計上できます。「これは趣味では?」と思う支出でも、事業との関連性を説明できれば認められるケースがあります。
大切なのは、領収書や支払記録をきちんと残しておくこと。少額でも積み重ねると大きな節税効果になるため、自己投資に関する支出は忘れずに整理しておきましょう。
コラボや打ち合わせのカフェ代も経費に
同業者や外注スタッフとの打ち合わせに使ったカフェや飲食代は、「会議費」として経費にできます。VTuber活動では、配信の企画会議やコラボ打ち合わせなどが該当します。
ただし、プライベートな食事や友人との雑談までは経費にならないため注意が必要です。領収書の裏に「〇月〇日 サムネイル制作打ち合わせ」など、具体的な目的をメモしておくと安心です。
「開業費」を活用して初期投資を分散
デビュー準備の段階で発生した支出(機材購入、デザイン費、サイト制作費など)は、「開業費」として処理することができます。開業費とは、開業前にかかった費用を一括で経費にせず、数年に分けて償却できる制度です。
たとえば、初年度に利益が少ない場合は一部を翌年以降に経費として計上することで、利益が出る年に節税効果を高められます。開業初期のコストを上手に分散させることで、安定した経営につなげられます。
赤字でも確定申告するメリット
「今年は赤字だから申告しなくていい」と思うのは損です。青色申告をしていれば赤字を3年間繰り越せるため、翌年以降に黒字になった際に相殺して税負担を軽減できます。
とくにVTuber活動は初期投資が多く、最初の年は赤字になりやすい傾向があります。早い段階から正しく申告しておくことで、将来の節税につながり、継続的な活動にも安心感が生まれます。
打ち合わせやイベント用の差し入れも経費に
外注スタッフとの打ち合わせで使う飲み物やお菓子は「会議費」として、イベントやコラボ配信で配るノベルティや差し入れは「広告宣伝費」として経費にできます。
ただし、どのような目的で使用したかがわからないと認められないこともあるため、領収書の裏に「〇月〇日 企画会議用」などとメモを添えておくと安心です。
細かな支出でも積み重ねれば大きな節税効果になるため、忘れずに整理しておきましょう。
煩わしい手続きは最初にこなし、VTuberへの一歩を踏み出そう!
今回は副業VTuberを目指す方に向けて、開業から確定申告までの流れ、節税のポイントをお伝えしました。専業になれないから副業を選択するのではなく、副業であることの強みを最大限発揮しながら活動を行っていくことが大切です。
- 本業の経験があるからこそコンテンツの幅が広がる
- 副業は本業の収益があることで投資計画が立てやすい
- 副業でも「開業届」「確定申告」「月次締め」を忘れずに
- 会社にバレないためには住民税の「特別徴収」を選択
- 専業への移行は安定収益を得てから
株式会社uyetでは、兼業・副業VTuberの方に向けたウェビナーなど、配信活動に役立つ情報を発信しています。ウェビナーの最新情報は「VTuberNEXT」から見られますので、ぜひご覧ください。









