「炎上したくないけど、何を気をつけたらいいのか分からない」
エンタメ業界で度々発生するVTuberさん含むタレントの「炎上」ですが、よかれと思った言動が炎上を招いた、またそれをきっかけに炎上をしかけたという方は少なくないと思います。
炎上はVTuber、Vライバー活動を行う上で非常にリスクのある出来事であり、配信者人生を大きく左右する事態に発展することもあります。
そこで今回の記事では、VTuberさんやVライバーさんの配信活動で起こりうる「炎上」について、なぜ炎上が起きるのか、炎上対策・対応策をご紹介します。
ぜひ配信活動を行う上での参考にしてみてください。
“炎上する”とは
「炎上」とは、誰かの行動や発言に対して批判が殺到し収集がつかなくなってしまう状態や、特定の話題に対して議論の盛り上がりが尋常な状態のことを指します。
特定の行動や発言を行った場合、ネット上で不特定多数の人から大きくバッシングされ、炎上がおさまった後もネット上で炎上事例としてずっと記録が残ってしまうこと。(このことを「デジタルタトゥー」と言います)
主にXやYouTubeなどの不特定多数の人が匿名で発言ができるSNS上で発生することが多く、炎上する行動や発言をしてしまった本人は、誰かわからないような人からも「言葉」によってバッシングを受けることになります。
また本人の行動や発言が原因ではなくても、周りの人の行動や発言によって炎上の被害を受けてしまうこともあります。
VTuberが炎上することによる影響
VTuberさんやVライバーさんが炎上するとどういったことが発生するのか、VTuberさんやVライバーさんが炎上してしまうとどういった影響があるのかを解説します。
VTuberが炎上することによる影響
- 自身のファンが少なくなる、いなくなる
- VTuber、Vライバー同士のコラボ配信ができない
- VTuber、Vライバーとしてお仕事が受けられない
- プライベートでストーカー被害などを受ける など
一度炎上をしてしまうと「VTuber・Vライバー」としてマイナスのイメージがついてしまうため、配信活動が継続しにくくなったり、自分のできることの幅が狭くなってしまいます。
また炎上が発生してしまうと好感度も急降下してしまうため、これまで自分を応援してくれていたファンの方がいなくなってしまう可能性も。
VTuberさん、Vライバーさんの中には配信者同士の交流があると思うのですが、これまで仲良くしていたVTuber、Vライバーたちでさえも自分にもマイナスイメージがつかないようにあなたから距離を置くようになるかもしれません。
他にも、企業は自社のブランドイメージに悪影響を及ぼすようなことを避けるため、自社のプロモーション企画・PR企画でタレントをキャスティングする際は、炎上しているもしくは炎上した経験があるVTuberさん、Vライバーさんの起用はしません。
ファンがいなくなってしまい、VTuber、Vライバー同士の交流にも混ざりにくくなる。お仕事も受けられない状態になると、活動の幅を広げることができなくなってしまい、VTuber、Vライバーとして活躍することが難しくなってきます。
つまり「炎上」というのはVTuber、Vライバー活動を行う上で非常に重大な問題であり、絶対に避けるべきものです。
VTuber、Vライバー炎上の火種になる行為
VTuberさんやVライバーさんに起こり得る「炎上」が、どういったことをきっかけに発生するのか解説します。
配信中の言動だけではなく、SNSでの発信や配信企画も含めて、活動全体が誰かに見られている立場のため、気をつけたい要素を知っておきましょう。
不適切・攻撃的・差別的発言
多くの人が見ている配信やSNSでの発信で、不適切な発言や攻撃的な発言、差別的な発言を行うことはタレント活動において非常にリスクのある行動です。
炎上の観点から非常にリスクをが高い行動になるとともに、タレントとしての印象を大きく左右することになり、これまで応援してくれたファンが離れていってしまう可能性もあります。
またどれだけ事前に説明をちゃんとしていても視聴者がその1秒のみを見て不適切だと判断してしまう、また配信者が別の意図で話しているつもりだったのに視聴者に別の意図で言葉を汲み取られてその言動を不快だと感じられてしまうと、その言動は不適切な言動の対象となり、炎上につながることもあり得ます。
特に配信内での話が身内ノリになってしまっている時や知っている人がたくさん視聴しに来てくれた安心感と嬉しさから、こういった炎上につながる発言をしてしまう配信者の方が多いです。
ゲーム配信における迷惑行為やコミュニティ文化の無視
ゲームには著作権が存在し、配信内でゲームを使用する場合は無断で使用することは禁じられており、利用規約に沿って配信内でゲームをプレイする必要があります。
利用規約を違反した場合、罰金が課せられたり、規約違反を発見した視聴者がSNSでそのことを暴露して炎上につながる可能性もあります。
またゲームをプレイをする中でモラル的に禁止されていう行為、またゲーム業界やVTuber業界の文化として暗黙の了解で禁止されている行為を行うことで炎上することもあります。
例えばゲームの改造やチート、不正行為を行うことはゲームの利用規約上はもちろん、そのコミュニティにおいてタブーとされていることが多いです。
他にも違法な手段でゲームを入手、利用ルールに則らずにゲームで流れる映像・音声を無断で利用することも法的措置が取られる可能性があるとともに、炎上につながるリスクもあります。
著作権侵害等の法律違反
VTuberさん、Vライバーさんの炎上で意外と多く発生するのが、著作権周りでの違反が発覚し炎上するパターン。この場合、配信内やSNSで無断で写真やイラスト、音楽などを使用してしまい、炎上につながることが多いのです。
わざと違法行為をするというよりも、知らず知らずの間に違法行為をしてしまったということがほとんどです。
VTuber同士の交友トラブル、絵師とのトラブル
VTuber、Vライバー活動を行うと、交友関係は必然と広がっていくもの。
交友関係を広げることで配信活動の相談相手ができたり、コラボ配信や企画を行えたりと、交友関係を作ることはメリットが多いと言えますが、一つ間違えると炎上を引き起こす可能性もあります。
例えば、コラボ配信でコラボ相手にとって不適切な発言を自分がしてしまったことで、コラボ相手やコラボ相手のリスナーを怒らせてしまい、自身の不適切な発言がネット上で拡散されてしまい炎上につながってしまう。
炎上の多くは自分がきっかけを作ることが多いのですが、交友関係がきっかけで巻き込み事故を受けることも少なくないため、VTuberさんやVライバーさんにとって交友関係はかなりセンシティブなものになってきます。
また絵師さんとの交友関係においてもVTuber、Vライバー仲間と同様にトラブルが発生する可能性があり、炎上につながることもあります。
リスナーとの約束を破る
自分を応援してくれる「リスナーさん」は、自身が活動を続けるにおいて非常に大切な存在です。普段から配信に遊びにきてくれると配信者側も頑張ろうと思えますし、喜怒哀楽を常に共感し合える存在は孤独を感じやすい配信活動において非常に貴重です。
配信者にとって一番の味方であるリスナーさんですが、リスナーさんとの楽しい交流の中で炎上を生み出してしまうこともあります。
よく起こり得るのは、約束に対して理由も話さずに約束を破ってしまい炎上につながること。
特に配信実施の予定やグッズ販売、企画イベントへの出演など、リスナーさんも巻き込むものやリスナーさんの金銭が関係してくるもの、リスナーさんが長く楽しみにしてくれているものは、リスナー側の準備の負担やそのことに対する期待値が高いことが多いです。
よって、自分はちょっとした変更だと思っていたり、約束を破っていない認識だったとしても、リスナーさんにとっては大きな変更、約束破りだと感じてしまうことがあります。
それによって裏切りやショックを受けたリスナーさんが自分が応援していたライバーさんを攻撃するという事態になり、そのことが炎上を生んでしまう可能性もあります。
守秘義務のある情報を話してしまう
例えば、配信者の方がVTuberやVライバー事務所やVTuberグループに所属している場合、その事務所の内部情報は守秘義務として外部に漏らしてはいけません。
守秘義務は事務所所属時に契約書に記載されていることが多く、多くのVTuberさんやVライバーさんは守秘義務を守りながら配信活動を行っています。
ファンと交流する中で安心感からポロっと事務所の内部情報を漏らしてしまったり、契約書の書面の記載を忘れてしまって悪気なく内部情報を話してしまうと、事務所を退所する場合になることもあります。情報の漏えいは、会社や事務所にとってはどんなに期待をしているライバーさんでも、適切な対応をしなくてはいけません。
また、守秘義務を守らなかったことや情報漏えいを起こしたことが公になると、本人の炎上につながることもあります。
本人のプライベートな情報が流出する
VTuberさん、Vライバーさんには基本的に「中の人」が存在し、中の人は人間であるため、プライベートな情報が流出し炎上が起きることは全然あり得ることです。
つまり時々テレビやSNSで見るようなテレビタレントやアイドル、インフルエンサーらの中で起きるような炎上はVTuber業界、Vライバー業界でも発生します。
特にVTuberやVライバー業界は独特の文化があり、基本的に中の人は顔や体を出さずに配信活動を行うことが多く、バーチャルの世界観を大事にしたいと思われる方も多くいらっしゃいます。
そんな中で、プライベートなことが公に出ること自体が炎上を生み出す可能性が高く、またプライベートが晒されるだけではなく、プライベートでトラブルが発生してそれが公になってしまうとトラブルを招く可能性もります。
自分のリアルの情報は、適切に守れるよう意識しましょう。
H2:企業案件、PR配信は特に注意が必要
ここまで炎上のきっかけを作る行為についてご紹介しましたが、実は配信者が企業案件を受ける際も炎上につながるリスクが存在します。
「#PR」を概要に入れずステマ規制法に触れる
数年前からYouTuberさんやインスタグラマーさんが企業案件を行うことが一般的になっており、企業案件によるPRはSNSが発達した現在で有効的なマーケティング手法として確立されています。
インフルエンサーマーケティングがビジネス上で注目される中で、一時期企業が主導する案件にも関わらず、炎上を招くことがありました。
2023年10月1日にはステルスマーケティングを防止する「ステマ規制法」が法律として制定され、今企業から依頼されたPR配信やPR投稿には「#PR」をつけることが義務付けられており、「#PR」がついていない商品宣伝・広告は違法となることとなりました。
しかし、まだ「#PR」をつけずにYouTube上やX上で商品PRを行うインフルエンサーさんも発信がチラホラ見られます。これがネット上で炎上につながる事態が発生しています。
インセンティブ目的でわざとハッシュタグを使用しない方もいるかもしれませんが、「ステマ規制法」が制定されたことを知らずにハッシュタグを使用していない方もおり、自身の知識不足で炎上のにつながっているケースも存在します。
誇大表現や間違った情報をリスナーに提供
VTuberさんやVライバーさんにとって企業からの案件は非常に重要であり、活動資金や生活資金の稼ぐ上でも多くの配信者さんが企業からのオファーを受けたいと思っています。
また企業案件の中ではインセンティブといって、自身が紹介した商品をどれだけファンの方に購入してもらえたかで追加で報酬が支払われる設計になっているお仕事もあります。
そんな中で企業案件を受けるインフルエンサーさんやタレントさんは継続してお仕事をもらいたいという感情や、インセンティブを増やしたい些細な気持ちで、商品PRの際に商品の紹介を誇張する方や誤情報を口にしてしてしまう方も実際にいらっしゃいます。
これによって、購入者がSNSで商品に対してクレームを投稿して炎上につながってしまい、商品の人気が急激に下がったという事例もインフルエンサーマーケティングにおいて多々あります。
VTuber、Vライバーのための炎上対策7選
VTuberさんやVライバーさんが配信活動やSNS活動を行う中で、炎上しないために普段から気をつけるべきことを5つご紹介します。
多くの人から視線を向けられているマインドセットを持つ
まずVTuberやVライバー活動を行うということは多くの人から視線を向けられる、注目される存在になることを自覚することが大事です。
つまり、多様な価値観の人に様々なタイミングで見られることになるため、配信活動やSNS活動を行う上で言動に細心の注意を払う必要があります。
よって、どんな価値観の人からも、どんな角度や瞬間を切り抜かれても、不適切な発言や攻撃的な発言、差別的発言と思われないような言動を意識しなければいけません。
また配信内で自分が理解していない言葉はなるべく喋らない、他の配信者さんの話題は話さないなど、トラブルや炎上につながる可能性がある話題に触れないことも重要です。
守秘義務やリスナーとの約束は守る
事務所との契約以外にも企業とのお仕事やイベント出演も同じで、企業と何かしらの取り組みを行う際には、守秘義務というものは必ずついてくるものです。
事務所の内部事情や一緒にお仕事をした企業の案件詳細や会社情報を外部に話さないことは、配信活動を行う中で当たり前に守らないといけません。
よくあるのは守秘義務を家族や親しい友人にも話してしまうこと。身内だから、親しいからと安心してしまい、さらっと話してしまう方もいると思いますが、守秘義務とされているものは親族であっても基本的に話してはいけません。
また守秘義務の話とは少し外れてしまいますが、いつも自分を応援してくれているリスナーさんとの約束を破らないことや裏切り行為を行うことは絶対にやめましょう。
リアルタイム投稿・匂わせ投稿をしない
プライベートが公になり身バレをしてしまうとともに炎上につながるということも少なくありません。
VTuberさんやVライバーさんにとってプライベートの漏洩は絶対に防ぐべきものです。
対策としてまずできることは、配信やSNSで自分が今いる場所ややっていることがバレてしまう発信を行わないこと、個人情報はもちろん個人情報に通ずる情報を発信しないこと。
またタレントさんで多いのが、SNSで自身の配信アカウント以外のプライベートアカウントが特定され、過去の写真や発言が取り上げられてしまう事案です。
こういった時、ほとんどの場合は炎上につながることが多いため、プライベートアカウントは削除もしくは非公開にしておくことが大事です。
また、配信者アカウントとプライベートアカウントは別々で持っておくのがおすすめです。
というのも、時にはネット上でプライベートに関わる話をしたくなったり、感情的な発言をしたくなることもあると思います。そんな時のために、自由に好きなことを発言ができるプライベートアカウントを作っておくと良いでしょう。
感情がマイナスに高まっている時は発信を控える
配信活動やSNS活動を行う中で喜びや楽しさを感じる反面、怒りや悲しみを感じることもあると思います。
そんな中で、多くの人は誰かに話を聞いて欲しい、鬱憤を晴らしたいという感情になると思いますが、こういった感情が高まっている時こそ注意が必要です。
一瞬の感情の高まりは、配信やSNSで不適切な発言につながりやすく、炎上に発展してしまうこともあります。
よって、マイナスに感情が高まっている時こそグッと感情を抑えて、まずは一度落ち着く時間を作るようにしましょう。
ゲーム配信はなるべくプライベートでやり慣れているものを選ぶ
ゲームには多くの方が安心・安全に利用してもらえるように利用規約や注意・ルール事項が用意されています。よって、配信内でゲームを行う際は、まず利用規約を確認しましょう。
またゲームコンテンツによっては独自のルールや文化があることがあるので、知らずにやっていたことが炎上につながることがあり、それが他配信者や視聴者からのヘイトを向けられるきっかけになることもあります。
自分は影響力がないから見つかることがないだろうと思っていても、ネット世界であるVTuber、Vライバー業界では通用しません。良い意味でも、悪い意味でも、すぐに見つかり拡散されていく世界です。
また当たり前の話にはありますが、明らかに違法行為やマナー違反となるモラルのない言動は絶対にしないことが鉄則です。
クリエイティブ周りの著作権について知識を深めておく
VTuberさんやVライバーさんは普段クリエイティブやクリエイターさんと触れる機会が多いため、クリエイティブの知識も一定身につけておくことをおすすめします。
例えば、自身のクリエイティブに対する知識のなさから絵師さんとのトラブルや著作権侵害につながることもあるので、自衛のためにもクリエイティブの知識を抑えておくと良いでしょう。
トラブルが発生したら解決に努める
と言っても、配信活動を長く続ければ他のライバーさんやリスナーさんとトラブルになることもあると思います。そんな中で炎上に発展させないために大事なのは、まずは相手に対して解決に向けた姿勢を見せることです。
相手も感情的になっている可能性があるので、まずはこちらがちゃんと解決したい意思があることを相手に伝えましょう。
ただし、大きな炎上リスクがある場合や解決が難しい場合は、事務所の運営スタッフや弁護士を立てて対応してもらうのがおすすめです。
炎上してしまった場合の対応方法
最後に、VTuberさんやVライバーさんが炎上を受けた時の対処法を解説します。
まず絶対に避けたいのは「SNSでの発言を控える」ことです。誤解を解きたい気持ちや炎上を鎮めたいという気持ちから、炎上している最中はどうしてもSNSで弁明したいという気持ちになると思います。
感情的な中で発信しても炎上にさらに勢いを与えてしまう可能性があるため、まずは冷静に状況を見つめることが大事です。冷静に物事を見た上で適切な対応を行うようにしましょう。
それでもなお炎上が過激化する際は、信頼できる人に相談を行うようにしましょう。VTuber、Vライバー事務所に所属している方であればまずは事務所に、事務所に所属していない場合は弁護士に相談を行うと良いです。
相談相手として、友人に相談することは避けるのがおすすめです。というのも友人に助け舟を出してしまうことで友人をトラブルや炎上に巻き込んでしまう可能性があります。
下記の動画はVTuberたみーさんの配信になるのですが、弁護士を交えて「炎上」についてお話をしているのでぜひ参考にしてみてください。
炎上を防ぐ最大の対策は、「日々の意識」を持つだけで変わる!
今回はエンタメ業界でよく見るタレントの「炎上」をテーマにVTuberさん、Vライバーさん業界で起こりうる炎上が一体何が原因であることが多いのか、また対策方法や対処方法について解説しました。
一見自分には関係のないように思えるかもしれませんが、実は身近に転がっている「炎上」。炎上は配信人生を左右するような大きな出来事であり、最悪の場合は「休止」「引退」となることも少なくありません。
まずは炎上を起こさない、巻き込まれないためにはどういうことを心掛けるべきなのか、日頃からしっかり考えて、活動を続けていきましょう。
- 炎上は一瞬で信頼を失い、活動そのものを左右する大きなリスク
- 不適切発言・著作権・PR表記など、火種は意外と身近に潜んでいる
- 守秘義務やリスナーとの約束を守ることで信頼を積み上げられる
- 感情的な発信やリアルタイム投稿はトラブルのもと、落ち着いて行動しよう
- 迷ったときは一人で抱えず、事務所や専門家に相談することも大切









