「VTuberデビューに必須の立ち絵、どうやって作る?」
「こだわって作りたいけど、お金はどれくらいかかる?」
「立ち絵やキャラモデルのを依頼方法を知りたい!」
VTuberになりたいと考えたとき、一番楽しい想像が広がるのは「立ち絵」、つまりキャラクターデザインですよね。
この記事では、VTuber活動で必須のキャラクターの立ち絵、デザイン設定や依頼の準備ポイントについて解説します。
制作の流れから費用、注意点までをわかりやすくまとめています。これから配信を始めたい方やVTuberになりたい方はぜひ参考にしてください。
VTuber活動に必須「立ち絵・キャラデザイン」の役割
VTuberの立ち絵は、みなさんの個性や魅力をリスナーに伝えるためにとても大切なものです。
立ち絵は、配信者の分身となるキャラクターイラスト。 配信者の表情や動きに合わせてリアルタイムで、リアクションができるようにするのが主流です。多くの表情やポーズ差分を持たせることで、豊かでリアルな感情表現ができるの大きな魅力です。平面イラストがベースの2Dモデル、立体的なモデルがベースの3Dモデルがあります。
みなさんの世界観や配信トークにあったキャラクターデザインがあれば、印象に強く残り、ファンとの関係性を深めるきっかけにもなります。一度活動を始めるとなかなか変えることは難しいので、後悔がないように作り込こみましょう。
Live2Dモデルと3Dモデルの違い
Live2Dモデル | 3Dモデル | |
---|---|---|
制作難易度 | 比較的低め ・イラストからパーツ分けで作成 ・2D描画の知識があれば対応可能 | 高め ・3Dモデリングの専門知識が必須 ・立体構造の理解が必要 |
得意分野 | ・アニメ調の表現が得意 ・細かい表情変化がつけられる ・2次元らしい魅力の表現 | ・360度全方向から見られる ・ダイナミックな動きの表現が可能 ・VR空間での活用にも最適 |
制作コスト | 3Dと比べて比較的安価 ・パーツ数で費用は変動する | 一般的に高価 ・モデリング工程が複雑 ・なめらかな動きを求めるほど費用は上がる |
参考ツール | Live2D Cubism モデリング・アニメーション制作ができる。多くのVTuberさんが利用している | Unity/VRoid Studio/blender ・3Dモデリング ・VRM形式対応 ・基本無料で利用可能 |
初めて作るなら2Dモデルがオススメ
これからVTuberデビューする予定なら「2Dモデル」がオススメです。
VTuberデビュー準備には、とても費用がかかり、3Dモデルは2Dモデルよりも制作費用が大きくなる傾向があります。
大手事務所のVTuberさんも2Dモデルで活動してから3Dモデルをお披露目という形で制作する流れも多いです。
活動する目的から考えたときに、「3Dモデルじゃないと駄目!」という理由がなければ2Dモデルが無難でしょう。
主な入手方法は自作・依頼・完成品購入の3パターン
立ち絵を入手する方法は、主に「自作する」「依頼する」「完成モデルを購入する」の3パターンです。
今回の記事では、自分の活動スタイルや希望のキャラクターデザインにこだわりたいという方に向けて、依頼の流れや、事前に決めたいことや費用感をメインに解説します。
自作したい方には、依頼の流れも参考になると思いますので、ぜひお好きなところからお読みください。
事務所に所属してキャラモデルを作ってもらう手もある
依頼は不安だけど「本気でVTuberをやりたい!」という場合は、「VTuber・Vライバー事務所に所属して、立ち絵(モデル)を作ってもらう」という方法もあります。
▼事務所に所属するメリット
- 事務所からキャラクターデザインをもらえることが多い
- アドバイスや指導などのサポートを受けながら活動が始められる
- コラボの機会や企業案件が事務所を通して受けられる可能性がある
デビューのために立ち絵がプレゼントされる事務所に加入すれば、大変な依頼進行をお願いでき、あなたの個性や魅力にピッタリのキャラクターモデルを作ってもらえる可能性がとても高いです。
デビューや活動のフォローを受けながら活動ができるのは、事務所に所属する魅力と言えますね。
<事務所に加入する前の注意点>
- 立ち絵をプレゼントされる事務所が多いが、全てがそうではない
- 事務所によって契約条件は異なり、何でもフォローがあるわけではない
- 事務所のルールや方針を守って活動する必要がある

VTuberの立ち絵を依頼しよう!事前準備ガイド
次はVTuberの立ち絵を依頼するために、どんな準備をすれば良いのか解説します。
初めての依頼で失敗したくない、クリエイターさんと円滑にやりとりしたい方は、ぜひチェックしてください。
▼主な依頼までの流れ
- 活動方針を決める
- キャラクターコンセプト(設定やイメージなど)を決める
- キャラクター立ち絵依頼の仕様を決める(2Dか3Dか、パーツ分け、差分数、トラッキングツールの決定など)
- クリエイターを探す・依頼する
- 上記でモデリングが含まれていない場合、自分でやる or モデリングを依頼する
キャラクターの依頼の前にまとめておきたいこと
- 見た目のイメージ(衣装や髪型、雰囲気など)
- キャラクターの性格や、設定、見た目の希望など
- 活動スタイル
- イラストの利用用途
※配信活動だけではなく、サムネイルやSNSアイコン、グッズやキャラ立ち絵を使った形で販売予定など、どういう用途で使う予定なのかを詳しくまとめておくと良いでしょう。
▼参考例:イラストレーター兼Live2Dデザイナー「一束(いつか)」さんの場合
▼キャラクターデザインについて
(1)性別:男性/女性/中性的・不明
(2)年齢:おおよそでも構いません
(3)髪・瞳の色:
(4)肌の色:色白/普通/褐色/その他
(5)体型、身長:細身、小柄など
(6)髪型、服装の好みや特定のアイテム:
(7)好きな色:
(8)性格:
(9)その他設定:職業や肩書き、世界観など
(10)具体的な用途:
※用途に合わせて使いやすいよう微調整を加える場合があります。
(11)使用ツール:Facerig/Animaze/VtubeStudio
引用:私がキャラクターデザインを依頼された時の作業の様子について
キャラクター立ち絵の利用範囲(二次利用)は依頼前に伝えよう
イラストの活用範囲といわれてもピンとこないかもしれませんが、依頼を受けるクリエイターさんにとって、利用範囲はとても大事な項目です。
★イラストの「二次利用」とは?
イラストの二次使用とは、依頼時とは別の目的・用途でイラストを使用することです。例えば、広告チラシ用に制作してもらったイラストを名刺にも使用する場合、SNSアイコン用のイラストをパンフレットにも掲載する場合などは、二次使用に該当します。
例えばVTuber活動では、配信以外にもSNSのアイコンやサムネイル、グッズ制作など、さまざまな用途で使いたくなることもあるはず。
また「二次創作・ファンアート」の許可やお着替えや衣装替えの時にも許可が必要か、利用範囲の中でOKなのかもクリエイターさんによって取り決めが異なります。そのため、事前にクリエイターさんと利用範囲については相談し、お互いに納得をして契約で決めておくことが大切です。
キャラクター立ち絵制作の費用相場感
低価格 | 10,000〜30,000円ほど | ・キャライラストのみなどの、ライトな依頼 ・モデリングは別料金の場合も多い ・依頼サービスや趣味クリエイターに多い価格帯 |
中価格 モデリング済みモデルなど | 30,000〜200,000円 | ・キャライラスト+モデリング済みに多い価格帯 ・オプションでパーツ分け箇所や可動域を増やすなどができる場合もある ・職業フリーランスや依頼サービスの中でも評価の高いクリエイターが多い |
高価格 | 500,000円〜 | ・キャラの設定からイラスト、モデリングまで。こだわったフルパッケージに多い価格帯 ・大手事務所や企業との商業実績がある有名イラストレーターや制作企業が多い |
パーツ分けや表情差分などの多さで費用が変動しやすい
上記の金額例は、普段VTuberのキャラクターデザイン制作を担当するクリエイターさんの制作費の相場目安です。
実際には「最低限のパーツ分けのみ対応の場合」や「オプションで表情差分をプラス」「基本プランとこだわりのプランが選べる」など、依頼できる内容もクリエイターさんによって異なります。
依頼サービスを使う場合も、クリエイターさんと直接やりとりをして依頼する場合も、必ず提示されている条件やプランをしっかり見ておきましょう。
▼例えば表情差分でもこれだけの種類やバリエーションがある
【ののん。Live2D講座62】
— ののん。nonon. @Live2Dモデラー (@nonon_yuno) November 20, 2024
表情差分の一覧をまとめてみました。
ご依頼する際に、この表情が欲しい事を相手に伝えやすくなるかもしれません。
ご自由にお使いください✨
–パーツが用意できない方向けに
今後表情パーツ素材なども配布予定です–
誰かの参考になれば嬉しいです。#Live2D #VTuber pic.twitter.com/qHHxdcNoLu
大手事務所やクオリティの高い立ち絵3面図の参考例
▼雪花ラミィさん
大好きなリン☆ユウママが書いてくださった設定図です❄ pic.twitter.com/JWjvybxUI6
— 雪花ラミィ☃️ (@yukihanalamy) August 12, 2020
▼魁星さん
[三面図とタグ(3/16時点)]
— 魁星(かいせい)🔑🐍にじさんじ (@Kaisei_2434) March 16, 2024
■配信#魁星開店
■ファンアート#かいせ絵
■アクセサリー#魁星のキーホルダー
■エゴサーチ#魁星これ開けて
■センシティブ#裏路地魁星
■ボイス#魁星ボイス
※FAタグ 及び アクセサリータグに投稿された作品は、活動でお借りする場合があります🔑 pic.twitter.com/G80OIdRaet
▼崩壊スターレイル(ゲーム) アスター

▼マジカルミライ2024 初音ミク 衣装デザイン

魅力的なキャラクター設定や依頼で失敗しないためのポイント
VTuberの魅力は、「バーチャルキャラクターを通してなりたい自分になれる」こと。
表面的なキャラクターの設定だけではなく、あなたが「どんなVTuberになりたい」のか、「どんな配信をしたいのか」は、個性的で魅力的なキャラクター立ち絵の制作ではとても大切です。
クリエイターさんに自分の持っているイメージを上手に伝えるため、そして完成したキャラクターと一緒に長く配信を楽しめるように、どんなことを注意すればいいかやデザインのポイントをお伝えします
見た目だけで個性を出すのは難しい、世界観やなりたい姿も考えよう
いま世の中には多くのVTuberさんがデビューして活動しています。
VTuberさんの魅力は、見た目はもちろんのこと、配信を通した中の人の人柄や配信スタイル、雰囲気や考え方などの多くの要素をひっくるめてファンになるという方が多いです。
そのため、魅力的なVTuberの立ち絵という見た目だけではなくて、自分がVTuberを通してなりたい姿、やりたいことも一緒に考えておきましょう。
やりたいことや表現したい世界観から、キャラクター設定から見た目、配信内容まで一貫したブランディングをするのは王道の作り方といえます。
★あなたの人柄とキャラクターの設定をどこまで一致させるかのバランスも個性になる
自分のなりたい姿と自分の性格や声の雰囲気など少し違う気がする…と感じる事もあるかもしれませんよね。
ですが、VTuberはそのギャップも個性や設定として活かすこともできる業界です。
柔らかい声だけどクールでズバッとした竹を割ったような性格やリアクションをギャップあるキャラクター設定で活かす。なども可能です。
自分とキャラクターのギャップバランスもぜひ考えてみてくださいね。
世界観やイメージがわかる資料は多めに用意しておこう
プロのクリエイター・デザイナーは、あなたから依頼された要素や世界観などのヒアリングを通して得た情報を元にして、キャラクターのデザインや衣装の方向性、モチーフアイテムなどを決めて行きます。
キャラクター全体の印象やシルエット、配信画面では胸から上がアップになることが多いため、その部分だけでも印象や個性が伝わるようにするなど、多くのことを考えて理由があるデザインに仕上げます。
そのため、あなたの持っているイメージや服装の希望などを伝える資料やキーワードはなるべく多く用意しておきましょう。
▼参考:
VTuberデザインは「第一印象」と「描きたくなるか」が重要!
Ixy先生と波浪ヒカリが選ぶ「衣装デザインコンテスト」選考レポート

上記は衣装コンテストではありますが、歌姫というテーマで「かわいい」「明るい」という方向性は決まっていても、多くの個性的なデザインが応募されています。
納品期間や修正回数はしっかりチェック、余裕を持って依頼しよう
VTuberの立ち絵イラストは、一般的なイラストよりも制作に時間がかかります。
VTuberのキャラクターイラストは「動くイラスト」になるため、後ろ髪や帽子やピアスなどのアクセサリー、洋服の装飾など、動いても問題が無いように見えない部分まで書き込む必要があるからです。
そのため、デビュー日やお着替え記念など発表時期が決まっている場合は、最低でも2〜3ヵ月以上は余裕を持って依頼をするのがオススメです。
人気のクリエイターほど、依頼をしても制作に着手できるのは1ヶ月以上先、ということも珍しくありません。同じキャラクターのリニューアルや新衣装の場合も同じです。
また立ち絵を担当するイラストレーターさんと、モデリングを担当するモデラーさんが別の場合は、もっと時間がかかる場合もあります。
★主な立ち絵制作の工程
- ラフ案、下書きなどのおおよそのデザイン
- ペン入れ・清書
- 着彩、カラー設定
- 細部の修正など
- 表情などの差分制作
- 納品に向けた仕上げ
※上記はあくまでの参考例です。クリエイターさんによって細かい進め方は異なるため、依頼時に確認しましょう。
オススメのVTuber立ち絵・イラスト依頼サービス
モデリング・トラッキングは別工程の場合も、相場やモデリング依頼の基本
次はVTuberがリアルタイムで表情豊かに動くために欠かせないモデリングの工程を解説します。
今回は2D(平面)モデルを中心に解説をしていきますが、3Dモデルの場合は立体的で稼働するモデルそのものを制作する工程となります。
▼モデリングとは
平面のパーツ分けされたイラストをトラッキングツールを通して動くように加工すること。
▼トラッキングツールとは
カメラやウェブカメラで撮影した映像から顔や表情の動きを検知して、キャラクターモデルに反映させるソフトウェアのこと。
▼主なツール例
立ち絵イラストとモデリングは別々の方が担当することもある
キャラクター立ち絵を依頼したら、全てのクリエイターがモデリングまで担当してくれるわけではありません。モデリングはアニメーションなどの動く設定をつけていく加工の工程になります。
イラストのパーツ分けまでは対応OKでも、モデリングは別の方へ依頼ということも珍しくないため、モデラーさんも早めに探しておくのがオススメです。
もちろん、モデリング費用は別で用意しておく必要があります。
▼Live2Dのモデリング
アニメーションで動く箇所に、点と線の集合体の「アートメッシュ」をイラストに割り当てていきます。
ある程度は自動で割り当てられますが、動いても違和感がないように細かい位置調整やどこまで動くのかのパラメーター(数値)を振っていきます。
例:顔なら瞳やまぶた、白目や口など
髪:前髪、後ろ髪、横髪(もみあげ)、ハネ毛など…
動く部分にはほぼ設定を加えていくため、とても細かい作業と調整が必要になる工程です。
▼3Dモデルのモデリング
3Dモデルの場合は、3面図などを元にして立体的な身体の素体から服、パーツなどを3Dソフト上で制作していきます。
ボーン(骨格)を稼働する箇所を意識して作っていく必要があり、こちらも専門的な知識と細かい調整が必要な工程となります。
モデリング依頼の費用・相場の目安
稼働するパーツ数や対象ソフトの指定でも費用が変動します。
また全身や上半身だけで良い場合や、小道具やパーツなどオプションでも費用が変動しやすいためお願いしたいクリエイターさん候補を見つけてから、予算の確認をしたほうがよさそうです。
- 低価格:100,000円前後 依頼サービスなどの相場感
- 中〜高価格:100,000円前後〜オプション追加や対応範囲で費用変動
※Live2Dモデルを前提とした目安の費用相場となります
完成したVTuberキャラクターモデルを購入する方法
依頼も良いけれど完成品を購入して、まずは配信活動を始めたいと言う方もいるかもしれません。
販売されているVTuberモデルは、「一点限定」のものが比較的多く販売されています。
VTuberモデルを購入するメリットもぜひ知っておきましょう。
▼VTuberモデルを購入するメリット
- 依頼や自作よりも入手が簡単
- 同じ制作者やベースモデルが対応する衣装がある場合も
- VRChatなどにも対応した3Dモデルも手に入りやすい
▼例:うさねこメモリーさんの1点ものモデル&対応衣装

VTuberモデルが購入できるサービス例
自作・無料でVTuber立ち絵を入手する方法
最後に、自分でクリエイティブな制作に挑戦したい、キャラクターイラストを描きたい方へのアドバイスをご紹介します。
世の中には自分で立ち絵を描き、動かす設定から企画までこなすVTuberさんもいます。
▼セルフ受肉とは?
セルフ=自分でVTuberのバーチャルのアバターを描いて、VTuber・Vライバー活動を始めること
※似た用語で「バ美肉(ばみにく)」という用語がありますが、これは中の人が男性で、バーチャルアバターは女性キャラクターで演じることを指します。
●セルフ受肉で有名なVTuber例
・しぐれういさん
・甘狼このみさん
自作ならかかる費用は少ない、でも手間と時間がかかる
自分で企画から設定、イラストを描いていくなら全てが自分の思い通りにできる大きなメリットがあります。その反面、イラストを描くスキル、設計の力、デザイン・モデリングの知識などを1から学んで実践するのはとても大変で手間も時間もかかります。
とくにこれからデビューするなら立ち絵以外のサムネイルや配信画面、デビュー前の計画的な宣伝なども自分で行う必要があるため、とても忙しくなります。
その代わり、自分のペースで進められて費用も最小限に抑えやすくなります。
すでにどこかの知識やスキルがある場合はオススメです。ですが、全てが初めてという場合はプロの力を借りる方が早く、自分の想像を超えたクオリティの高い立ち絵を手に入れられる可能性は高いと言えるでしょう。
VTuber活動のクリエイティブを学べる参考書籍
●VTuber大全
有名クリエイターの事例を豊富に掲載、VTuberに関するクリエイティブ・デザインの情報が優しくまとまっている

VTuberデザイン大全 あなたの魅力を引き出すアイデア集
●VTuberデザインブック
たくさんの事例やキャラクターデザイン以外のデザイン例も豊富なデザイン参考書
すぐ配信活動を始めたいなら、Vライバーになるのもオススメ
VTuberにこだわらず、配信者としてすぐ活動したい!という場合は「Vライバー」になるという選択肢もあります。
とくにIRIAM(イリアム)は、キャラクターの立ち絵が1枚あれば配信を開始できるので、イラストを描くことができればすぐにデビュー可能です。
また2025年4月にリリースされたばかりの「Avvy」は、アプリ内で2Dアバターをつくって配信活動が始められます。
現在は新規登録に制限がありますが(2025年4月16日執筆時点の情報)、気になる方はぜひ情報をチェックしておきましょう。
無料で立ち絵、アバターがほしいならこんなツールもある
「まだ配信を始める自信は無いけれど、アバターがほしい!」という場合は、まずバーチャルアバターを手に入れてから考えるのもおすすめです。
まずアバターがほしい場合は、無料でアバターをつくれるツールを利用してみましょう。
▼無料でアバターが作れるサービス例

トラブル回避に知っておきたいVTuberの「立ち絵・イラスト」の権利
最後にクリエイターにキャラクター立ち絵だけではなく、クリエイティブな制作を依頼するなら知っておきたい「権利」やトラブルの事例をお伝えします。
こうしたトラブルは状況次第で誰でも起きてしまう可能性はあり、依頼者とクリエイターが気をつけていても、すれ違いが起きてしまうことがあります。
少しでもトラブルを防ぐためのポイントを知っておきましょう。
「著作権」と「著作者人格権」の違い
「立ち絵の権利を譲渡」してもらえばなんでもできる、というわけではありません。
クリエイターさんが描いた立ち絵には「著作権」と「著作者人格権」の2つの権利が生まれます。
このうち、著作権(主に使う権利)は譲渡可能ですが、「著作者人格権」は譲渡ができません。
VTuberのアバターに使われるイラストや3Dモデルは通常、著作物であるため著作者に著作権と著作者人格権が発生します。イラストや3Dモデルの著作者は、基本的にはそのイラストや3Dモデルのクリエイターになるため、何も合意がない状態ではクリエイターがアバターの著作権を持つことになります(法人の使用者が業務として行った場合や、複数人で作成した場合などは個別に検討が必要になります)
引用元:VTuberの著作権は誰のもの? “中の人”と“ママ”が知っておきたい、アバターの権利関係(弁護士が解説)
●「利用許諾を受ける」とは?
著作権をクリエイターさんに残しつつ、お互いに相談・合意をとった上で「この範囲内でなら自由に利用して良い」という許諾を得る方法です。
著作権の譲渡はクリエイターさんにとってもリスクが大きいので、受け付けていないこともあり、決めた範囲内では自由に使ってOK。という約束を契約書を通して決めることが多いです。
これらの著作権や利用許諾の範囲の誤解や、確認漏れがトラブルになることが多いです。
難しいと感じるかもしれませんが、依頼になれているクリエイターさんは事前に条件を取り決めていることも多いので、分からないことは素直に確認しておきましょう。
契約書や合意書などをまとめ、お互いの認識を揃えておく
立ち絵に限らず、とくに個人同士で制作依頼時は、大切な内容を必ず「文字として残す」ようにしましょう。
メールやSNSのDM、チャットツールなど、記録が残る形でやり取りを進めることがオススメですが、それを書面にまとめたものが「契約書」や「合意書」です。
以下の内容は必ず確認して、お互いに誤解がないように残しておきましょう。
- 制作物の内容(立ち絵の枚数、表情差分の数など)
- 納期(いつまでに完成させるか)
- 料金(支払い方法や支払い時期も含めて)
- 修正対応(何回まで修正できるか)
- 利用範囲(配信以外での使用可否、グッズ化の可否など)
ヒアリングシートなどを通して回答・確認する流れをとっている方もおられます。
堅苦しく感じるかもしれませんが、デビュー後も安心して活動できるように、最初のやり取りでしっかりと確認することが大切です。
他人事じゃない!実際に起きたVTuberと制作者(ママ・パパ)とのトラブル例
自分は大丈夫…と思わずに、トラブルを避けるにはしっかりコミュニケーションをとることがとても大切です。
依頼中はもちろんのこと、依頼後もVTuberとクリエイターの関係が続く場合も多いので、どんなトラブルが実際にあるのか知っておきましょう。
【依頼前に確認・気をつけること】
依頼の前に注意できることは、連絡手段やコミュニケーションの取り方を決めておくことです。連絡の行き違いや誤解もトラブルの元なので、事前に無理のない形でお互いに決めておくと安心です。
- 連絡手段は複数持っておく、連絡のつくメールアドレスを伝える・もらう
- 〇〇日を目安に連絡しますなど、次の連絡・確認するタイミングを決めておく
- 返信が遅くなる場合は、それを伝える連絡をする(連絡が長期間つかないとお互い不安になるため)
依頼中・依頼前のトラブル事例
【依頼中のトラブル事例】
●依頼して料金を前払いしたのに立ち絵が納品されない、返信が無い
※逆のパターンとして、依頼主と連絡がつかなくなる、料金が支払われず放置のパターンなど、両方のトラブルがある
●料金の支払いが遅れたことを連絡せずに、クリエイターから立ち絵を持ち逃げされたと誤解されてしまうケース
【依頼後のトラブル事例】
●VTuberが配信中にイラストレーターの個人情報を漏らしたり、違反行為などが発端となりサポート解消&利用権の剥奪
●イラストレーターとVTuberの納品後の関係性のスタンスの違いによるトラブル。依頼後、ママとしてずっと応援してほしい、FAを描いてほしいなど、依頼が終わった後にトラブルになる事例も。
●アダルト方面や年齢制限がかかるようなコンテンツで使用しないという約束だったのに、VTuberが約束を守らずモデルの利用停止を求めた
こだわった立ち絵を手に入れて、VTuberでなりたい姿を叶えよう
今回はVTuberの立ち絵・キャラクターデザインの依頼ポイントや準備などを詳しく解説しました。立ち絵は、VTuberさんの個性や魅力を表現できるとても重要なものです。
費用や手間がかかるのは大変ですが、後悔しない・自分がなりたい姿になれる立ち絵をぜひ手に入れてくださいね。
- キャラクター設定は見た目とセットで、なりたい姿・見られたい姿も考えよう
- 費用はこだわり具合で大きく変わる、立ち絵デザインとモデリングは別々の場合もある
- 依頼時はヒアリングシートの記入や必ず内容をお互いに確認して認識を揃えておく
- 著作権と著作者人格権の違いを理解し、利用範囲を明確にすることが重要
- トラブル防止のため、連絡手段の確保や進捗確認など、コミュニケーションを大切にする
株式会社uyetでは、VTuberになりたいみなさんをサポートするサービスも展開しています。
ぜひ一人で悩まず、誰かに相談したくなったらぜひご活用ください。