9月25日に開催させていただいたウェビナー「タレントにずっといたいと思われる IP価値を高める VTuber/Vライバー事務所の作り方」ですが、多くの方にご参加いただき、大盛況の中で終えることができました。
今回の記事ではウェビナーの内容についてレポートさせていただきますので、ウェビナーを惜しくも見逃してしまった方や内容を見返したい方はぜひご覧ください。
今回開催のウェビナーについて
株式会社uyetでは、定期的に「VTuberNEXT」ウェビナーを開催しております。そこでまずは「VTuberNEXT」について解説し、今回のウェビナーの概要をご紹介させていただきます。
“VTuberNEXT”について

「VTuberNEXT」では、VTuberの魅力をしっかりと発信し、業界外の方にもVTuberに興味を持っていただくためのきっかけを作れるよう定期的にウェビナーを開催します。本ウェビナーでは、現在VTuberがどのような活躍をしているのかやVTuberの知られざる魅力について発信を行うことにより、多くの方にVTuberの魅力について知っていただき、業界の盛り上がりに繋げていきたいと思っております。
VTuberNEXT公式サイト:https://uyet.jp/vtubernext/
本ウェビナーのテーマについて

今回は「タレントに長く在籍したいと思われるVTuber事務所づくり」をテーマに、IP価値を高めるための組織設計やサポート体制、VTuber・Vライバーが安心して活動できる環境づくりのポイントについて詳しく解説いたしました。
本ウェビナーの登壇者の紹介
今回のウェビナーには、株式会社uyet 代表プロデューサーの金井洸樹が登壇しました。
【株式会社uyet】代表プロデューサー 金井洸樹

2018年よりANYCOLOR株式会社でVTuber事業立ち上げに従事し、キャラクターを用いたコンテンツの企画/運用、企業案件配信の企画などを担当。現在は株式会社uyetにてVTuberを用いた新規事業開発、プロモーション事業、マーケティング事業、VTuber支援事業を展開。またJA全農様と朝日新聞社様と連携してライブコマースイベントを開催。
金井の公式Xアカウント:https://twitter.com/MoveSkk
株式会社uyet公式サイト:https://uyet.jp/
株式会社uyet公式X:https://x.com/uyet_inc
本ウェビナーの内容について
本ウェビナーのテーマは「タレントにずっといたいと思われる IP価値を高める VTuber/Vライバー事務所の作り方」でした。今回の記事では、タレントにずっといたいと思われる IP価値を高める VTuber/Vライバー事務所の作り方
ついて、ウェビナーの内容を抜粋してご紹介します。
伸びるVTuberと伸びないVTuberについて
金井まず事務所視点で見たとき、伸びるVTuberと伸びないVTuberの違いは何か?を整理します。そこでまずは伸びないVTuberのポイントを解説します。





まず1つ目は、伸びる可能性のあることをそもそも行っていない人です。
トレンドや需要のあるジャンルにアンテナが立っておらず、 自分のやりたいことだけを続けてしまうタイプ。本人は楽しいのですが、新規が来る要素がほぼない状態です。
2つ目は、いわゆる “バケツに穴が空いている人”。
配信の間が長すぎて離脱される、SNSの雰囲気が応援しづらいなど、コンテンツ設計の問題で「興味を持たれても定着しない」状態になってしまうケースです。
3つ目は、“集客につながらない活動に時間を使いすぎている人”。
目的意識が弱くやりたいからやるで終わってしまい、事務所がリソースを使っても、本人の満足度だけが上がって収益やファン増加につながらないパターンです。





では逆に、伸びるVTuberの特徴を3つお話しします。
1つ目は、伸びる可能性があることを試行錯誤している人です。
これはトレンドや需要のあるコンテンツへの感度が高く、未経験のゲームや音楽・アニメーションなどにもきちんとチャレンジしている方のことを指します。
好きなことだけをやるのではなく、「自分の好き」と「市場ニーズ」を接続しながら企画を考えられることが大事です。





2つ目は、リスナーファーストで配信できている人。
toC事業をやったことがある人なら分かると思いますが、基本はお客さんが喜ぶものを提供できているかがすべてです。
配信の構成が“楽しめる設計”になっている、視聴者とコミュニケーションしながら場を盛り上げている、なぜこの配信を見に行くのかという理由が明確に用意されている。
こうした要素をきちんと押さえられているVTuberの方は、やはり伸びやすいです。





3つ目は、活動目的と自分の“好き”を接続できている人です。
単に「好きだからやる」ではなく、自分の成長ストーリーの中にどう組み込むか、応援される物語としてどう見せるかまで設計できている方のことを指します。
こういうことができるようになりたい、その過程を一緒に見てほしいという形でコンテンツに落とし込めていると、視聴者も応援しやすくなります。





まとめると、やるべきことをやったうえで、自分のやりたいことにどうつなげるか試行錯誤できている人が、事務所視点として“伸ばしていきたいVTuber”になります。
人気タレントを生み出す上でVTuber事務所が思いがちなこと





次に、VTuber事務所側が人気タレントを生み出す上で勘違いしがちなポイントをお話しします。
まず1つ目は、“ポテンシャルのある子を取れば、事務所がどうにか伸ばせるだろう”という思い込みです。ですが、今のVTuber市場はもう“ポテンシャルガチャで当たりを引く”ような単純な構造ではありません。
なぜ「ポテンシャル採用」だけでは難しいのでしょうか?
今は個人でも機材を簡単に揃えられますし、準備を整えてからデビューする人も増えています。実際、ポテンシャルのある子は事務所に入らなくても自力で伸びることができるんです。
そういう人たちは、自分で企画して試し続けたり、何度も姿を作り直したり、当たるまで粘り強く動き続けるタイプが多い。だからこそ、“ポテンシャルの高さ=事務所で育つ”とは限らない、という状況になってきています。」





2つ目は、個人には限界がありVTuber事務所に入りたいはずだから、メリットを提示すれば良い人が集まるという思い込みです。
実際には、タレントが伸びるかどうかは事務所の戦略やマネジメントスタイル掛けるタレントの特性という“掛け算”で決まります。
つまり、今のVTuber市場は「ポテンシャル採用しておけばOK」という単純なゲームではなくなっている、ということです。





つまり、VTuber事務所としての戦略、マネジメントスタイルとVTuberタレントの特性との“掛け算”で決まるので、 事務所運営は「ポテンシャル採用すればOK」というゲームではなくなっています。
人気タレントを生み出すために今VTuber事務所に必要なこと





それでもタレントはなぜ事務所所属を選ぶのかを一言でいえば、「タレントが自力でやりきれない部分を事務所が代わりにやり切ってくれるから」です。
その上でタレントは下記の3つポイントをチェックして、事務所選びを行なっています。
集客力があるか(人を呼べる事務所か)、生活の基盤を作れるか(収益・待遇の安定)、それらを実現するためのサポートがあるか。この3つのうち最低1つ、できれば2つ以上満たしていないとポテンシャルのあるVTuberほど「この事務所に入る意味ある?」と冷静に判断するようになっています。





では、VTuber事務所が本来やるべきこととは何でしょうか?
一言で言うと、タレントがやりきれないこと・できないことを、事務所がやり切ってあげることです。
個人で活動するとなると戦略を自分で立てられるか、集客できるか、営業・マネタイズができるかは人それぞれ違ってきます。
個人の能力や使える時間、金銭面などで人それぞれ変わってくるため、このできない部分を事務所がサポートしてあげるのが重要です。





分かりやすいのが、人気VTuber事務所「あおぎり高校」さんですね。
かなり珍しいケースなのですが、事務所公式YouTubeチャンネルの登録者数が所属タレント全員より多いという状態になっているんです。なので、まず事務所チャンネルを視聴して、次第に所属タレントのファンになっていくという構造になっています。
ショート動画でタレントの魅力を知ってもらい、そこから各タレントの配信や個人チャンネルへ誘導する導線がしっかり設計されています。つまり、事務所そのものに集客力があるため、新人であっても一定の露出やファン獲得の機会が担保される。
「このVTuber事務所に入れば、集客の土台を持っている」という明確な理由にもなり、非常に分かりやすい成功パターンだと思います。





最近でいうと、「うおむすめ」さん のような事務所が分かりやすいと思います。ここは、タレントが長期的に活動していくためのインフラづくりや、次につながる機会を提供することに非常に力を入れています。
例えば、音楽ユニットとして活動できる場を用意したり、水産庁との協力企画に参加できたり、固定給やギャランティが支給される仕組みがあったりと、個人ではなかなか整えにくい環境を運営側がしっかり担保しているのが大きな特徴です。
タレントの視点に立つと、自分ではやりきれない集客や営業、企画作りの部分を事務所がカバーしてくれることは、とても大きな価値になります。またサポート体制や機会の提供を事務所側が積極的に行うことで、タレントが安定して活動を続けられる体制がつくられていると言えると思います。
こうした形は、VTuber事務所が取りうる“努力の一つの方向性”として、とても有効だと考えています。
VTuber事務所運営を成功させるためのpoint





多くのVTuber事務所さんに共通する課題として、事務所やタレントが伸びなかった場合に実施する戦略が考えられていないという点があります。
タレントのデビューや事務所がスタートするとなると、皆さん力を入れていて準備をされると思うのですが、「外したときどうします?」 と聞くと答えがないことが多い。
エンタメのtoCビジネスは成功が保証されないので、本来は“デビュー=ゴールではなく、事業としてどう伸ばすか” を考える必要があります。
たくさんのVTuber事務所が誕生する中で、デビューが滑っても構造的に成長できる“後受けの施策”まで含めて設計することが、これからのVTuber事務所には非常に重要だと思っています。





事務所を運営する上で大事なのは、自社の成長戦略に合うタレント像を正しく理解していることです。どんなVTuberが入れば事業が伸び、本人も幸せに活動できるのか、その点を把握している事務所は強いです。
配信経験や歌・ゲームの上手さなど、よくある応募条件はどの事務所でも嬉しい“汎用条件”にすぎません。本当に重要なのは、自社の方針やアセットを踏まえ、誰が最も戦略にフィットするのかを理解しているかどうかです。
また、事務所としての成功や失敗の基準も早い段階で言語化すべき。収益や登録者数だけで判断していると、“たまたまうまくいっているだけ”という危うい状態になりかねません。
所属タレントが幸せになりやすい条件、事業として成功と言える状態を明確にすることが大切です。
さらに戦略・集客支援・営業をどこまで担うのかをはっきり示すことで、ミスマッチやトラブルを防げ、結果としてどんなタレントと相性が良いかも見えてきます。





VTuber事務所の運営は、事業として戦略的に進める必要があると思っています。明確な事業戦略や成長戦略を描いた上で、事務所を運営していく必要があります。
そこでVTuber事務所がまず取り組むべきなのは、先ほどのもお話しした通り、自社の戦略に合う人材を早い段階で見極められる状態をつくることだと考えています。
“良いVTuber事務所”とは一体なんなのか….今後のVTuber事務所の運営では万人に受ける事務所を作る必要はありません。自社にある人材は居心地を感じ、幸せに活動を続けられる場所を作ることができれば大丈夫です。
またVTuber事業として重要なのは、大きな挑戦ができて夢を実現できる場所であること。そうした環境であれば、自然と良い人材が集まり、事務所にも良い循環が生まれていくと考えています。
ウェビナーにご参加いただきありがとうございました!
今回は「タレントに長く在籍したいと思われるVTuber事務所づくり」を対象にウェビナーを開催させていただきました。いかがだったでしょうか?
ウェビナーにおいてご不明な点、詳しく知りたい点がございましたら株式会社uyetまでお気軽にお問い合わせください。
今後もVTuberに興味のある方やVTuber活用を検討している企業様・自治体様に向けて、お役に立てるようなウェビナーを開催したいと思っております。もしこういったウェビナーを開催してほしいというご要望がございましたら、お問い合わせよりご連絡ください。
また、VTuberNEXTウェビナーに登壇したい方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。今後も定期的にウェビナーを開催する予定ですので、ご興味がある方はぜひご参加ください。
ウェビナーに関する最新情報は、uyet公式X(旧:Twitter)で発信をさせていただきます。


















